高田吉孝のブログ

平成27年度税制改正大綱

 年末に発表された平成27年度の税制改正大綱の情報について書こう書こうと思いながら、昨年末から来週1月20日から始まる新春特別セミナーの準備に追われて放置しておりましたので、とりあえず、要点だけでも書きたいと思います。

 まずは、もしかしたら延長されないのでは?とのうわさもあった事業用資産の買い換え特例についてですが、平成29年3月31日まで延長となっています。
(但し、地方※1から東京23区への買換えの場合は課税繰延が70%、地方から首都圏近郊整備地帯等※2への買換えの場合は75%)

※1東京23区及び首都圏近郊整備地帯等を除いた地域
※2東京23区を除く首都圏既成市街地、首都圏近郊整備地帯、近畿圏既成都市区域、名古屋市の一部

以下順不同で、相続対策に関連しそうな内容を簡単に書きます。

法人実効税率の引き下げ 
 34.62%(現行) → 32.11%(平成27年度) → 31.33%(平成28年度)→  数年で20%台まで引き下げることを目指す

欠損金繰越控除の見直し
 繰越期間 9年 → 10年
 控除限度の引き下げ(大法人のみ)80% → 50%

住宅取得資金贈与の非課税制度の拡充
 非課税枠:平成27年は最大1500万円、平成28年10月〜28年9月は最大3000万円

教育資金贈与の非課税制度の延長(非課税枠:1500万円)。
 結婚子育て資金贈与の非課税制度の新設(非課税枠:1000万円)
 「受贈者」ごとに非課税枠が設定され、また、相続時精算課税との併用も可能

 改めて、詳しく解説したいと思います。

Posted by funaizc at 2015年01月12日

偶然か?はたまた・・・『家なき子』について先週(12/10)の新聞朝刊で詳しく解説されていました

私が、11月15日のブログで、

以前、新聞で、『 別居の子は優遇なし 』という見出しで、別居している子供は小規模宅地等の特例が使えないと勘違いさせる記事が掲載されていたことがありましたが、

一般的にも、相続時に相続する人が同居していないと小規模宅地等の特例が利用できないと思っている方が多いようです。

と、『家なき子』の解説を書きましたが、私のブログを見てもらってか?、はたまたま偶然か?

 上記ブログのきっかけとなった某新聞の12月10日の朝刊に、『家なき子』の解説が、詳しく事例も使ってほぼ1面を使って掲載されていました。まあ、偶然だとは思いますが、被相続人と同居していない相続人でも自宅で小規模宅地等の特例が使える事は、知らない方が多く、またこれまであまり雑誌や新聞で『家なき子』の事が詳しく解説されている記事を見たことがなかったので、でこういう情報が多くの方に知らされる事は良い事なので、うれしく思います。

 相続対策は、まず使える特例などはフルに活用するのが、鉄則です。そういう特例や相続申告時のテクニックを使っても、まだなお節税が必要な場合に、いろんな対策を検討すべきです。安易にセールス主導の相続税対策に手を出すまえに、まずは基本を押さえましょう。

 今年は、昨年に続き今年(平成26年)も、週刊ダイヤモンドさんや、週刊エコノミストさん、に取材記事を掲載いただき、その他にも週刊住宅さんなど業界紙にも取材記事を掲載いただきました。ありがたいです。取材は積極的に対応させていただこうと思ってますので、来年もよろしくお願いします。

 そして、今年最後は、
週刊文春12月4日号の『住宅・住宅設備特集/専門家に聞く』p92にコメント掲載されましたので、ここでPRしておきます。

週刊文春20141204号合体


Posted by funaizc at 2014年12月14日

被相続人と同居していない親族でも小規模宅地等の特例が使える(通称『家なき子』)とは?

小規模宅地等の特例「家なき子」


 以前、新聞で、『 別居の子は優遇なし 』という見出しで、別居している子供は小規模宅地等の特例が使えないと勘違いさせる記事が掲載されていたことがありましたが、

一般的にも、相続時に相続する人が同居していないと小規模宅地等の特例が利用できないと思っている方が多いようです。

一次相続では、通常配偶者が自宅を相続する事が多いので問題は少ないと思いますが、二次相続時に実家の母親と別居しているケースで、この特例が使えないと思っている方が多いようです。

小規模宅地等の特例の特定居住用宅地等の要件には、

“被相続人と同居していた親族(同居要件) だけではなく、

“被相続人と同居していない親族”     でも適用を受けられる要件、俗に言う『家なき子』の要件もあります。


同居していないとい理由だけで小規模宅地等の特例が使えないと考えるのは早計です。

では、相続発生時に被相続人と同居していない親族でも小規模宅地等の特例「特定居住用宅地等(いわゆる自宅)で特例が使えるケース
(通称『家なき子』)の場合とはどういうものかですが、

その解説の前に、
小規模宅地等の特例(の特定居住用宅地等(いわゆる自宅)で特例)が使える要件ですが、国税庁のホームページには、次のように掲載されています。

小規模宅地等の特例 要件


区分の下段の【被相続人と生計を一にする被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等】は、単身赴任などのケースなので、今回は省略します。

上の【被相続人の居住の用に供されていた宅地等】の部分を説明します。

区分=被相続人の居住の用に供されていた宅地等(亡くなった方が住んでいた自宅の土地)

そして、この取得者(小規模宅地の特例が使える相続で引き継ぐ人)ですが、以下のようになっており、

(1)被相続人の配偶者
(2)被相続人と同居していた親族
(3)そして(1)(2)がいない場合に限り、
   『被相続人と別居していた一定の親族』=「いわゆる別居の子供」
   にも小規模宅地等の特例が適用できる場合があります。

小規模宅地等の特例 取得者


その【一定の別居親族】(例えば、別居の子どもが小規模宅地等の特例を受ける為)の要件とは

○日本に住所を有するか、または日本国籍を有している

○相続前3年以内に日本国内にある自己または自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない

小規模宅地等の特例 一定の別居親族


 自己または自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない」=持ち家に住んだことがないという事で『家なき子』と呼ばれているのでしょう。これが、いわゆる『家なき子』の要件です。

”相続前3年以内に持ち家に住んでいないこと”これが一番のポイントです。

賃貸物件に住んでいることが条件ではありません。親の持ち家に(お金を払わずに)住んでいてもかまいません。


注意が必要なのは、親がマンションを買ってあげるケースなどです。

全部親が、お金を出すのもどうかとなり、一部を子どもが出すとなる事もあると思いますが、

それは、相続税(小規模宅地の特例の適用)を考えると良くありません。子どもの持ち分がたとえ10%でも入っていると、「相続前3年以内に〜」の条件をクリアできなくなってしまいます。

親が100%持ち分のマンションに住めば、『家なき子』となり、特例の適用ができます。


子どもが2人いて、○長男は賃貸マンションに居住、○次男が親のマンションに居住であれば、長男が二次相続で、母のマイホームの敷地を引き継げば、特例は適用できます。

仮に子どもが2人とも持ち家に住んでいれば、どちらか一方が自宅を賃貸で貸すか売却して、自分は借家に住むという手もあります。

ただし、3年間はその状態を続ける必要があり、相続はいつ起こるかわからないので、タイミングは難しいところはあります。

ただ、小規模宅地の特例を使えば、何千万円も相続税が変わってくる場合は、二次相続でも特例が使えるように考えていく必要があるでしょう。※但し、遺産分割の問題は別に存在する可能性があります。


Posted by funaizc at 2014年11月15日

都心部に自宅(一戸建て)を所有していると(現金が少ない場合)家を売却しないと相続税を払えないはウソ!

正確に言うと、都心部に自宅(1戸建て)を所有していると(現金が少ない場合)、事前に対策をしておかないと家を売却しないと相続税が払えない場合がある。と言う事です。

ある意味全くウソではないが、最近の新聞や雑誌の取り上げ方は、かなりオーバーであると感じています。

 某税理士法人さんが、マスコミに情報提供している、駅ごとに(一戸建て+平均的な財産で)試算した相続税額がベースになっているのだろうが、あの試算は、二次相続の場合で最も相続税額が高くなる試算であり、記事にする側がその辺の説明を十分にしていない(記事の文字数の都合もあるだろうが・・・)為、非常に違和感を覚えます。

少し具体例で、説明すると

例えば、〇〇新聞では、朝刊で『相続に関する知識』の連載を行っており、以前“相続試算“と言うことで、やはり『土地だけで対応なら 都心では半分売却も』と言う見出しで、

・飯田橋(路線価は96万円(1坪だと317万円))に一軒家所有「土地157.68平方メートル(50坪弱)
      ※土地の相続税評価額=96万円×157.68屐1億5137万円
・2076万円強の預金、その他資産197万円強所有
      
・相続財産の相続税評価額合計=1億5137万円+2076万円+197万円=1億7410万円

子供2人で相続する(二次相続)モデルの試算として、

来年以降の相続税額は2,563万円となり、相続する金融資産だけでは相続税をまかなえず、不足する487万円の資金を、相続する実家の土地の一部を売却したりしてつくる必要が出てくる。と紹介しています。

★この事例の場合、

一次相続で、母親が全ての財産(相続税評価額1億7410万円)を相続し、小規模宅地等の特例を適用(課税価格5300万円(内、自宅の土地の評価は、151,372,800円×0.2=30,274,560円)する。

 一次相続税では、小規模宅地等の特例を適用できるので、課税価格は5,300万円となりますが、配偶者の税額の軽減(課税価格1億6000万円までは非課税)がありますので、相続税は0円となり、二次相続でその全ての財産(相続税評価額1億7410万円)が子供達が相続する前提での計算になっています。

二次相続時は、小規模宅地等の特例を適用しない前提となっていますので、相続税の額が2,563万円となってしまいます。

しかし、仮に二次相続で、小規模宅地等の特例を適用すれば、110万円で済みます。

子供2人での遺産分割の問題は残りますが、通常はこの特例をまず使おうと考えるでしょう。

2,563万円 と 110万円 です。その差額は、2,453円です。

 もし、遺産分割の問題で二次相続時に小規模宅地等の特例が使えないと言うのであれば、結果として自宅を売却して現金で分けるにしても、相続税が110万円で済むように、小規模宅地等の特例を適用できるような対策を行うべきでしょう。

 一般的に、二次相続時に相続する人が同居していないと小規模宅地等の特例が利用できないと思っている方が多いですが、特定居住用宅地等の要件には、

“被相続人と同居していた親族(同居要件)”「相続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人」だけではなく、“被相続人と同居していない親族”俗に言う、『家なき子の要件』の要件もありますので、同居していないとい理由だけで小規模宅地等の特例が使えないと考えるのは、早計です。

次回は、その辺をもう少し詳しく解説したいと思います。

Posted by funaizc at 2014年10月26日

消費税改正時(5%から8%への消費税率の引き上げ)における注意点など・・・

 平成24年8月に「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(「消費税法改正法」)が成立し、公布されたことにより、いよいよ来月1日(平成26年4月1日)から消費税率が8%に引き上げられます。
 
消費税の引き上げ
 
 そして、さらにその1年半後の平成27年10月には消費税率が10%へと2段階での税率引上げが実施される予定となっており、税率が2段階で引き上げられることで、経過措置等への対応に注意が必要となります。 
 
 経過措置については以前にも少しブログ書きましたが、改めて消費税の増税時における“実務上の留意点”について、一部ですが解説したいと思います。

【消費税引上げに伴う実務上の留意点】
消費税実務上の注意点
【消費税引上げに伴う不動産賃貸の賃借料に係る適用税率】

26年4月分賃貸料(家賃等)の消費税率は3月に受領しても8%が適用されます!

国税庁消費税室から平成26年1月20日に「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」が通達され、賃貸料(家賃等)に係る適用税率について公式見解が示されましたので紹介します。
 
平成25年10月1日以後に締結する賃貸借契約書において、月極の賃貸料の支払期日が、
 
〜扱遏○日としているケースと⇒盞遏○日としているケースの場合、施行日前後の平成26年3月分と4月分の賃貸料に適用する税率は、以下の表のとおり取り扱うことになっており、資産の譲渡等の時期と適用税率とは必ずしも一致しませんので注意する必要があります。
 
※支払期日が…

 〜扱遏○日としているケース  ⇒  8%

4月分賃貸料は、施行日以後の資産の貸付けの対価として受領するものですから、施行日前の3月中に受領していても4月末日における税率(8%)が適用されます。

◆〕盞遏○日としているケース  ⇒  5%

3月分賃貸料は、施行日前の資産の貸付けの対価として受領するものですから、 施行日後の4月中に受領していても3月末日における税率(5%)が適用されます。

【前受金等の処理に関する注意点】
 
消費税の前受金等の処理に関する注意点

Posted by funaizc at 2014年03月16日

法人税減税の国際公約?と法人活用

 安部首相は1月22日の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)開会式での基調講演で「本年、さらなる法人税改革に着手する」と、法人税の実効税率引き下げに踏み込む考えを表明しました。日本の法人税の実効税率(東京都)は約38%で、主要国では米国(カリフォルニア州)の40%超に次ぐ高さとなっています。
 
 平成26年度の税制改正により、復興特別法人税を1年前倒しで廃止し4月以降の開設事業年度から法人実効税率は35.6%に下がる見込みですが、世界的にはまだ高く、かつ他国では更に法人税率を下げる動きもあり、安部首相はダボス会議の講演で「法人に係る税金の体系も国際相場に照らして競争的なものにしなければならない」と表明しました。
 
 平成26年度税制改正大綱の「基本的考え方」においても、『わが国経済の競争力の向上、法人実効税率を引き下げる環境作りの重要性、法人実効税率引下げと企業行動の関係などを踏まえつつ、検討を進め今後、早期に国際水準まで引き下げることを目指し、検討を加速する』と明記されていますので、法人税は減税傾向にある事は間違いありません。

各国における法人実効税率引き下げの動き

個人への課税が強化(増税)となる中、法人活用が改めて注目されています。
 
個人への課税については、法人では前倒しで廃止予定となった復興特別税(個人は復興特別所得税)が個人においては平成25年分から25年間継続されます。更に、所得税の最高税率の引き上げ(平成27分から)、給与所得控除の上限引き下げ(段階的に実施予定)、相続税の増税(平成27年から)と、個人に対する課税は強化されており、法人への課税(減税傾向)とは対照的に今後も高所得者に対しては課税強化の方向性が示されています。
そんな中、節税ニーズの高まりもあり、法人(同族法人である不動産管理会社等)の活用が改めて注目されています。
 
 復興特別税の廃止後の法人実効税率は、大企業は35.6%ですが、現在でも中小法人には軽減税率(中小企業者等の法人税率の特例)が適用されており、年400万円以下の所得部分の実行税率は21.4%、年400万円超から年800万円以下の所得部分は23.2%となっていますので、既に個人所得課税に比べかなり有利であると言えます。
 
軽減税率との比較

法人の活用における所得分散による所得税等の軽減効果
 
 
 個人の所得税率が高税率である場合、個人の収入を法人(同族の資産管理会社等)に移転し、役員報酬として複数の役員に収入(所得)を分散する事により、それぞれの個人の課税所得を抑えることができます。また法人から役員報酬という形で収入を得ている場合、給与所得控除を利用できる為、所得税等の軽減効果を得る事ができます。
その仕組みをイメージで表すと以下のようになります(実際にはこのような単純計算ではありません)。
 
法人活用最終版

法人に収入を移転させるには、法人に建物だけを移転させるのが有効だが注意も必要!
 
 このように、個人の所得が多く実行税率が高い場合、個人の収入を法人に移転させる手段の一つとして、個人所有の賃貸不動産の建物だけを法人に時価で譲渡する方法があります。土地を譲渡等(移転)させることは法人の収益性悪化や移転コスト等の問題がありお勧めできません。法人と個人の間では土地賃貸借契約を締結し、税務署に土地の無償返還届出書を提出します。無償返還届出書を出す事により、法人への借地権の認定課税を回避し、かつ個人の土地の相続税評価額を20%減額できます。
 
 このようにメリットのある賃貸不動産の建物移転ですが、同族間での譲渡価額(建物の時価の算定)や移転コスト(建物価格・登録免許税・不動産取得税等)の影響による効果の見極めなど、いくつかの注意点がありますので、実行する前には必ず、専門家に相談する事をお勧めします。
法人の活用は、税金面のメリット(税率が低い・経費の範囲・繰越欠損金の繰越期間(9年)・任意の減価償却ほか)だけでなく、相続対策においても大きなメリットがありますので、ご興味のある方はお問い合わせ下さい。

Posted by funaizc at 2014年01月31日

太陽光発電電力の買取価格の大幅値下げ発表で、駆け込み需要が発生か?

今週18日に経済産業省が、再生可能エネルギーの“固定買取制度”の中でも高価格の買取価格となっている太陽光(ソーラー)発電電力の買取価格(電力会社へ買取を義務付けている価格)を大幅に下げるとの方針を発表しました。

 現在(平成25年度) 10kW以上 37.8円(税込) を
      平成26年度           34円
      平成27年度           30円  へと20%程度下げる方針であると発表しました。

平成25年度の買取価格 ※資源エネルギー庁の再生可能エネルギーの固定価格買取制度ガイドブックより抜粋

図1

 2004年(平成16年)から始まった太陽光発電の補助金制度(2005年で一旦終了し2009年から復活)や2009年(平成21年)からの余剰電力買い取り制度などの後押しを受けて、着実に広がってきた太陽光発電ですが、2012年 7月から始まった再生可能エネルギーの“固定買取制度”と、その認定を受けた太陽光発電(10kW以上)設備に対する“グリーン投資減税”により、大きな広がりを見せていました。


 平成26年以降の買取価格にも注目が集まっていましたが、大幅な買取価格の引き下げ方針の発表により、駆け込み需要が発生しそうです。

再生可能エネルギーとは、法律(エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律)でエネルギー源として永続的に利用することができると認められているもので、太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギー、太陽熱発電、波力発電、海洋温度差発電などがあります。

 今回の発表は、高コストの太陽光発電に偏った再生エネルギー導入促進の現状を見直すもので、経済産業省は、風力発電や地熱発電を推進する方針を取り入れたエネルギー基本計画を年内にまとめるとしています。


 以前は、太陽光(ソーラー)発電と言えば、自宅の屋根や屋上に設置するものと言うのが一般的でしたが、今では、野立て(更地に基礎から設置)ソーラー発電、メガソーラー発電、ソーラーシェアリング、太陽光発電事業者への屋根貸し、そして金融商品としての太陽光発電ファンド(「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を利用して大型太陽光発電所に投資をした人が、売電収入を原資とする配当を出資割合に応じて平等に受ける事ができる金融商品)まで、色んな形態があります。


   2013年(平成25年)度の太陽光発電事業の買取価格

出力

10kW以上

10kW未満

(余剰買取)

買取価格

37.8円

38円

買取期間

20年間

10年間


 ※適用される買取価格は設備コストなどを考慮し毎年度見直しされますが、一度適用された価格は買取期間中ずっと適用されます。平成24年度の10kW以上の買取価格は42円でしたが、太陽光発電設備の価格低下などを考慮し、今年度の買取価格は37.8円になったと言われています。


 20年間の固定期間買取を受ける為には、10kW以上の規模の発電量が必要となります。一般家庭の屋根や屋上などに取り付けられている太陽光発電は、おおむね2kWから4kW程度です。

 最近、グリーン投資減税による税制支援を受け、市街化調整区域など有効活用できない土地や、大きな屋根へ50kW未満の設置を提案する事業者も増えてきました。野立て(更地に基礎から設置)の太陽光発電の場合、300坪で約50kW、投資額約2000万円(利回り9〜10%)と言われています。

グリーン投資減税による税制支援

概要

再生可能エネルギーの“固定価格買取制度の認定”を受けた太陽光発電設備(10kW以上)又は風力発電設備(1kW以上)を取得し、その後1年以内に事業の用に供する場合

対象者

青色申告書を提出する個人又は法人

内容

以下のいずれか一方の税制優遇措置が受けられます
 |羮企業者に限り、取得価額の7%相当額の税額控除
 普通償却に加えて取得価額の30%の特別償却又は即時償却

※平成2541日〜平成27331日までは即時償却

(取得価額の100%全額一括償却)が可能

適用期間

平成2541日〜平成28331日まで


 一部の事業者では、“即時償却”による節税効果をアピールし営業を推進しているケースが見受けられますが、“即時償却”が適用されるのは、個人の場合、太陽光発電による売電収入が事業所得として認められる場合であり、給与所得者でも「出力50kW以上、高圧接続なら事業所得になる」とも言われていますが、課税当局は正式には認めていません。実際に導入を検討する場合は、税理士や詳しい専門家又は所轄の税務署に確認する事をお勧めします。

 国税庁ホームページの質疑応答事例に以下の場合についての回答要旨が掲載されています。


自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
 
  →他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合を除いては雑所得

賃貸アパートに設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
 
  →不動産所得に係る収入金額に算入

自宅兼店舗に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
 
  →発電される電力が事業所得を生ずべき業務の用に供されている場合は事業所得の付随収入 となる(減価償却費の額は、合理的な基準による使用割合により按分する)


Posted by funaizc at 2013年11月24日

交通事故など生命侵害に対する損害賠償金と相続税について

先日、弁護士さんから私のホームページ内の「事故などの損害賠償金」の部分の記載に間違いがあるとの指摘を受けて、すぐに修正をしました。

 最近流行りの『誤表示』ではなく、もともと少しややこしい解釈の部分の内容ですが、10年ほど前にホームページを作成した際に、古い情報を基に作成したものであると思いますが、間違った表記をしていました。ご指摘を受け感謝するとともに反省をいたしました。


 誤:財産的損害のほか、逸失利益などは相続財産に含まれます。←間違い


 正:『逸失利益の補償金』も損害賠償金の為、相続財産に含まれない。

被相続人の事故死を原因として支払われる『損害賠償金』『慰謝料』『逸失利益の補償金』(交通事故にあった被害者が生きていれば、得られていたはずの所得の補償金)などは遺族に対して支払われるものであって相続財産に該当しないことから、一般的には、相続税の課税対象とはなりません。

 但し、被相続人が損害賠償金を受け取ることに生存中決まっていたが、その損害賠償金を受け取らないうちに死亡してしまったという場合は、その損害賠償金を受け取る権利すなわち「債権」は相続財産となります。よってこの場合は、相続税の対象となります。

 国税庁のタックスアンサーNO,4111の記載を元に上記のように訂正しました。


交通事故の損害賠償金


 また、正しい内容に訂正する過程で、ネットで色々調べていたら、「布川税務会計事務所 所長 税理士 布川 博先生」の書かれた(公開されている)ものが、非常にわかりやすくまとめられていました。

 布川先生の記載を一部抜粋すると、


2.生命侵害による損害賠償請求権についての民法上の扱い

生命侵害に対する損害賠償請求権は、財産的損害に対するもの(逸失利益―働けなくなることで失う利益)、精神的苦痛に対するもの(慰謝料)、いずれについても「相続する」とするのが判例の立場です(従って、遺産分割、遺留分減殺請求の対象となる財産となります)。


3.生命侵害に対する損害賠償請求権についての相続税法上の扱い
 

相続税法上に明文の規定はありませんが、昭和57 年の下記個別通達の気砲茲蝓現在も取り扱いが行われており、被相続人の生命侵害による損害賠償金(財産的損害に対するもの、精神的苦痛に対するもの何れについても)には、相続税は課税されないことになっています。

昭和57年個別通達


Posted by funaizc at 2013年11月09日

10kw以上の太陽光発電システムは即時償却?まぎらわしいグリーン投資減税の内容

全量固定買取制度とグリーン投資減税などの税制メリットをPRし、屋上や屋根、遊休地への太陽光発電による有効活用の提案が盛んです。

実際、ホームページを検索して見ると、このようなページがヒットしたので参考までに抜粋すると

集合住宅の太陽光発電

 前段では、発電した電力を共用部分に使うメリット(余剰電力の売電)をうたいながら、

『太陽光発電システムは、環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)の対象システムに該当しますので、太陽光発電システム(10kw以上)を導入した個人事業主様は、取得価格の全額(100%)を初年度に即時償却できます。


と書いてあります。


 確かに「事業所得」に該当することになれば、グリーン投資減税の適用を受けることができ太陽光発電設備の即時償却ができるほか、給与所得との損益通算も可能ですが、必ず「事業所得」になるわけではありません。

 国税庁のホームページにも『自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売電収入』についての質疑応答事例にも

余剰電力の売却収入については、それを事業として行っている場合や、他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合には事業所得に該当すると考えられますが、給与所得者が太陽光発電設備を家事用資産として使用し、その余剰電力を売却しているような場合には、雑所得に該当します。』とあり、そもそも個人で事業所得にするにはかなりハードルが高いのが現状です。


 事業所得となる可能性が高いと言われている
「50kw以上、高圧接続」の太陽光発電システムであっても、国税庁は、「50kw、高圧接続」という規模が「事業所得」に該当するかどうかを判断する1つの要素にはなるとしつつも、この数値をクリアしたからと入って、すぐに「事業所得」に該当するわけではないとしています。


 太陽光発電業者の言うことだけを鵜呑みにせず、事前に信頼できる専門家や所轄の税務署に相談することをお勧めします。 


Posted by funaizc at 2013年10月20日

消費税率の引き上げに伴う経過措置、指定日の前日以前の契約について思うこと・・・

 消費税率の引き上げ(平成2641日から8%)が迫ってきています。国税庁のホームページにも『消費税率等に関する経過措置』の取り扱いQ&Aが公開され、

 ハウスメーカーなども「消費税率引上げに伴う経過措置Q&Aセミナー」などと題し、セミナーを開催し、引き渡しが新税率施行日以降となっても旧税率(5%)が適用される『指定日』である平成25101日の前日以前の工事請負契約を勧めています。

消費税 その他の経過措置


 実際、最近お客様から、この関係(消費税が上がる前の工事について)の相談をよく受けます。

 私の基本的な考えは、「3%の消費税UPの為に無理をして(必要のない工事)まで『指定日』前日以前に請負契約をする必要はない。」「今は工事も混んでいて、価格も安くないので、工事が必要な時期(消費税8%後)に価格競争させれば3%くらい値下げは可能だと思う。」です。

 先日も、あるお客様から「消費税が上がる前に、大規模修繕工事の請負契約をした方が良いでしょうか?」という問い合わせをいただき、確認したところ、まだ必要のない工事でした。その物件は3〜4年ほど前に屋上と外壁を中心に本格的な大規模修繕工事をしたばかりで、今は特に問題はないにもかかわらず、いずれやる必要が出てくるので、『指定日』の前日以前に請負契約を結んで、ゆっくり工事をしましょうという工事業者からの提案に乗せられた典型的なパターンでした。

 数多くある経過措置の中でもう一つ、実務上で対応したケースですが、

『資産の貸付け(賃貸借契約・リース契約等)に関する経過措置』“事務所やビル・建物の賃貸借契約やリース契約についても、平成25930日までに契約した場合で、平成2641日以後、引き続きその賃貸借契約を行っていれば5%の税率が適用される”件です。
 
資産の貸付に関する経過措置

 建物の賃貸借等について、消費税における「資産の貸し付けに関する経過措置」を適用する為には、


 平成8101日から平成25101日『指定日』の前日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約であり、その契約の内容が次のゝ擇哭◆△泙燭廊ゝ擇哭に掲げる要件に該当し、契約の相手方に対して適用を受けた旨の通知をすることが必要です。

 ,修侶戚鵑坊犬觧饂困梁濾佞韻隆間及びその期間中の対価の額が定められていること

 ∋業者が事業の変更その他の理由により対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

 7戚鶸間中に当事者の一方または双方がいつでも解約の申し入れをすることができる旨の定めがないこと、その他対価に関する契約の内容が政令で定める要件に該当していること

一般的な建物賃貸借契約では、契約書の中に上記´△里茲Δ糞載があっても借地借家法32条(借賃増減請求権)が優先される為、法的には有効とは言えませんが、この「経過措置」に限って言えば、有効となっています。

 なので、事情を理解してくれ協力してくれる借家人なら、契約書上は上記の記載(当事者間の契約上、対価の額の変更を禁止)にすれば、経過措置の対象となり、8%への引き上げの施行日が過ぎても、契約期間中の消費税は5%になります。


Posted by funaizc at 2013年08月25日

第4回 不動産を使った相続対策の注意点(特定NPO法人の「日本住宅性能検査協会」のコラムへの連載文より)

前回は、地主さんへ提案が増えている“「サービス付き高齢者向け住宅」の有効活用の注意点について書きました。相続税対策として「サービス付き高齢者向け住宅」を建築するような方は、地主さんなど多くの土地(畑なども含む不動産)を所有している為、都市部の地主さんなら、課税資産総額が20億円以上と言った方は珍しくありません。


第一回目のコラムにも書きましたが、平成27年1日1日以降の相続発生より相続税の最高税率の引き上げ(税率構造の見直し)と基礎控除の引き下げが実施されます。


 課税資産が20億円で、家族構成は父・母・子2人の場合、父が亡くなった場合(一次相続)の相続税は、4億3440万円(現行税制より+2490万円)、母が50%相続し課税資産が10億円で母が亡くなった場合(二次相続)の相続税は、3億9500万円(現行税制より+2400万円)となります。

改正による相続税額への影響

単純計算ですが、課税資産20億円に対して、一次二次合わせると合計8億2940万円の相続税(現行税制より合計+4890万円)となり、トータルの税率(8億2940万円/20億円)は41.47%となり、何もしなければ財産の40%がなくなってしまいます。


 そう考えると、なんとか相続税の節税をしなければと考えてしまいます。また土地を持っている為、なんとか有効活用ができないかと考えているところへ、

「アパートやマンションを建てましょう。」「サービス付き高齢者向け住宅を建てましょう。」「相続税が大幅に節税できますよ」

という甘い言葉に惑わされて、安易に(建ててはいけない場所やサ高住の真のリスクに気づかずに)全額借入で建築を行い、相続税の節税には成功しても相続後に借入負担によるキャッシュフロー悪化により財産を減らしてしまっては何の為の相続税対策だったのか、やらない方が良かったという事になってしまいます。

 

その辺の事は、第1回目から3回目にも書きましたので、今回はもう少し課税資産の少ない方にターゲットを絞った話を書いてみます。


今回の税制改正の影響は、さきほどの20億の相続税の計算では、一次相続では+2490万円でした。4億3440万円を払う人にとって+2490万円(増加率5.7%)が、巷のセミナーで大げさにいう程、そんなに大増税でしょうか???もともと税負担が大きいので・・・


それより、基礎控除の引き下げにより今までは相続税がほとんどかからなかった人、例えば、現行税制では上記の家族構成で課税資産が8000万円までなら相続税は非課税でしたが、27年以降は175万円,課税資産が1億円の場合、現行税制での一次相続税は100万円だが27年以降は315万円となり、増加率では315%(約3倍)と言うことになります。


 そこで、そういう層の(相続税が心配で少し資金のある)高齢者の方向けに不動産会社などが、ワンルームマンション投資を勧めているケースが増えてきているようです。

 老後の年金の足しになり相続税対策にもなると言う事で、最近はセミナーも増えているようです。


サービス付き高齢者向け住宅活用の注意点の記事に続いて、ワンルームマンション投資の注意点について週刊ダイヤモンドさんから取材を受けました。

地主さんが相続対策でアパートを建てるのも同じ事ですが、借入が多すぎると後々家賃の下落や空室によりキャシュフローが悪くなり、投資回収ができなくなります(7月8日に発売となった週刊ダイヤモンド2013/7/13『狙われる老後のカネ』号p38p39に事例収支が掲載されていますが、本コラム公開時点では転載不可につき後日UPさせていただきたいと思います)。


 人気エリアの好立地の中古マンションを余裕のある自己資金購入するのであれば、相続税効果も取れ、収入も増加するので、それはそれで“有り”だと思います。物件選びさえ間違わなければ大きな失敗はしないでしょう。

 しかし、巷で行われているマンション投資セミナーの多くは、借入でどんどんワンルームマンションを買うように勧めますので本当に注意が必要です。借入を主体とした賃貸不動産経営はそんなに甘いものではないと言う事を肝に銘じて欲しいと思います。


Posted by funaizc at 2013年07月15日

「土地等の価額」には無償返還届出書が提出されている土地の価額の20%相当額が含まれるとされた事例に思うこと・・・

国税速報(平成27年7月1日第6270号)のトップの下記最新裁決例紹介にふと目が行き、興味のある内容だったので少し紹介します。

〜土地保有特定会社の判定の際の「土地等の価額」には無償返還届出書が提出されている土地の価額の20%相当額が含まれるとされた事例〜
〔国税不服審判書 平成24年10月9日裁決(裁決事例集第89集)〕

 先週のブログに、相続対策にもなる「法人活用」の事を書きかけ、その「法人活用」の基本とも言える”建物所有方式による所得の分散効果”などについて書くつもりでしたが、少し関連あるので今週はこのネタ(裁決事例ネタ)を書きます。

 建物所有方式で、法人が個人(同族関係者)の土地上に建物を所有した場合、税務署に無償返還届出書を提出し、借地権の権利金の認定課税を受けないようにします。その場合は、土地の相続税評価は20%減額されますので、同族法人の株価を計算する場合、当然減額された20%は法人側の資産に計上します。
無償返還届出書


 あたり前の事だと思っていましたが、この裁決例での請求人の主張は、『無償返還届出書が提出されている土地については、相当地代通達5(「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の価額)により、その借地権の価額は零として取り扱われることとなるから、相当地代通達8(「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価)及び相当地代貸宅地通達により当該土地の自用地としての20%に相当する金額を純資産額に含めるとしても、それは借地権の価額ではない〜略〜 したがって、自用地としての価額の20%に相当する金額は、評価基本通達189(3)イに定める「土地の価額」に該当しない。』となっていますが、審判所の判断は、”NO”「土地の価額」に該当するでした。

争点は「土地の価額」の定義(個人側で減額された20%分の評価を「土地の価額」と言うのか?)だと思いますが、個人的にも裁決通りだと思いますと言うか、この事例が国税不服審判所で争われていたのが意外でした・・・

Posted by funaizc at 2013年07月06日

少人数私募債利用の節税封じは、平成28年1月1日以後との情報、ならば“駆け込み需要”が予想される。

私たちも、お客様に総合的な相続対策の中で、少人数私募債を利用したスキームを提案し、実行してきました。

例えば、土地等を売却し、都心の好立地な場所に不動産を組み替える場合、土地は個人が取得し、法人(お客様の所有同族会社)が収益物件(賃貸マンション等)の建物を取得するといったケースにも少人数私募債を利用する事もあります。

通常、法人は金融機関から建物の取得資金を調達(借入)するケースが多いですが、個人に資金がある場合、個人が法人にお金を貸し付ける代わりに、個人が法人が発行した少人数私募債を引き受けます。

社債発行は面倒ですが、50人未満の少人数私募債なら簡易な手続きも可能です。

少人数私募債を使った資金調達

通常、個人(役員等)から会社等への貸付金利子は雑所得となり最高税率50%の総合課税となりますが、少人数私募債の社債利子は利子所得となり20%源泉課税になります。法人は高収益の不動産(建物のみ)から収入が増えるので、通常役員は役員報酬が上がりますが、ここでは役員は役員報酬を上げず利子所得だけが増えることとします。最高税率の高所得なら、増加した収入が50%の課税から20%で済む事となり、法人での資金調達の方法を少人数私募債にした結果として、所得税の節税にもなります。

世の中では、もっと露骨に節税スキームとして利用されていたようです。しかし、平成25年度の税制改正大綱では、「同族会社が発行した社債の利子でその同族会社の役員等が支払を受けるものは、総合課税の対象とする」と発表され、この節税スキームが封じられる事となり、最大の関心事が、いつから適用開始なのか?過去に発行した少人数私募債まで対象となるのか?でした。

この節税策を用いていた税理士等専門家の間では、税制改正大綱に明記されていない「適用開始日」について、色々な見解・推測がありましたが、先日、Lotus21社の専門誌ニュースPROが、独自取材により「公社債等及び株式等」に関する改正(自民党税制改正大綱の「第二 平成25年度税制改正の具体的内容」の「一 個人所得課税」の「2金融・証券税制」の(1))については、すべて「平成28年1月1日」が適用開始日となる事が発表された。と報じました。

平成28年1月1日までに発行されたものが大丈夫(適用外)となると、あと3年近く節税スキームは使える事になるので、駆け込み需要が起こりそうです。


Posted by funaizc at 2013年02月17日

平成25年度税制改正 “相続税関連” 小規模宅地等の特例の改正について

平成25年度税制改正大綱で相続税の改正が発表されました。今国会で成立すると、平成27年1月1日以後の相続について、先のブログにも書きましたが、相続税の基礎控除が引下げられ、課税対象者が大幅に増える見込みです。そこで、緩和措置として、小規模宅地等の特例の適用範囲(特定居住用宅地等の限度面積)が拡大され、その他要件の緩和が盛り込まれました。

小規模宅地等の特例の適用範囲(特定居住用宅地等の限度面積)の拡大

被相続人等の自宅の敷地が240平米(限度面積)まで80%減額される特定居住用宅地等(小規模宅地等の特例(評価減))について、限度面積が240屐72.6坪)から330屐別100坪)まで拡大されます(平成27年1月1日以後の相続から適用)。

小規模宅地の評価減適用対象面積の見直し


特定居住用宅地等の要件が緩和

以下の改正は、増税の前年の平成26年1月1日以後の相続から適用となります。

二世帯住宅の場合の要件緩和

 一棟の二世帯住宅で構造上区分のあるものについて、被相続人及びその親族が各独立部分に居住していた場合には、その親族が相続又は遺贈により取得したその敷地の用に供されていた宅地等のうち、被相続人及びその親族が居住していた部分に対応する部分が特例の対象となります。

■老人ホームの場合の場合の要件緩和

 現在は、有料老人ホームに入所している場合には、「自宅は老人ホーム」として扱われるため、元の自宅の敷地については、小規模宅地等の特例の適用が受けられません。


平成25年度の税制改正により、老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等(元の自宅の敷地)も、次の要件が満たされる場合に限り、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとして特例が適用されます。

 イ 被相続人に介護が必要なため入所したものであること。

 ロ 当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと。 


Posted by funaizc at 2013年02月10日

税制改正論議と日本株離れに思うこと…

政府税制調査会の「平成20年度の税制改正に関する答申」発表に向け、経済財政諮問会議での議論が新聞などでも紹介されていますが、今年も大きな改正はないものの、仕事柄気になるのは、かねてより言われている相続税の課税範囲拡大と証券税制の取り扱いです。相続税の課税範囲の拡大は基礎控除額を減らす方向で、死亡者数に対して相続税の課税割合が4%しかない点を取り上げて、もっと多くの人から相続税を取ろうというものです。方向的にはその方向に行くのでしょうか。そうなれば次はサービスしすぎた広大地評価なども見直しされて行くように思います。

個人的には、証券税制議論はいつも納得がいきません。金融所得の一体課税を理由に現在の上場株式の譲渡益及び配当にかかる税率10%を原則の20%にアップ(譲渡益は2009年1月から配当は2009年4月から)させると言うものですが、確かに国際的な流れに乗り遅れないためにも金融一体課税論議は必要ですが、今の日本の証券市場、投資家の状況から考えて単純に20%にすることはマイナスがあってもプラスになるようなことはほとんどないように思います。

日経平均株価も9日終値が1万5583円42銭で終了し、今年2番目の安値となりましたが、サブプライムローン問題がまだまだ落ち着きを見せない中、世界的に見ても日本株離れがまだまだ進みそうな感じです。米国の機関投資家やヘッジファンドは今後日本株を減らしていくと言う話?です。とは言うものの米国株は景気減速懸念が、中国株はかなりの過熱が心配なので、やっぱり日本株の大きく下げた場面での逆張りで短期のサヤ取りと当面はインド株投資を少し増やそうかと思うこのごろです。



Posted by funaizc at 2007年11月11日

平成19年度税制改正大綱発表に思うこと…

与党(自民、公明両党)は14日、平成19年度与党税制改正大綱を決定しました。

平成19年度の税制改正大綱は、安倍政権が掲げる「経済成長なくして財政再建なし」の成長重視路線を背景に、各種の企業減税を盛り込み、設備投資負担を軽減する「減価償却制度」の拡充等が話題となっていますが、ここでは、私の業務に関連する項目について少し見てみることにします。

 まず、直前まで気になっていた平成18年12月末で期限切れとなる予定だった事業用資産の買い替え特例(個人15号(旧21号)・法人16号(旧22号))ですが、結論としては、適用期限が2年延長されることとなりました。この特例については、事前にはまず再延長はないだろうと言われていましたので、8日の新聞に自民税調が買い換え特例を延長する方向で検討に入ったとの載った際も、法人16号(旧22号)だけかと思っていましたが、結局は両方延長となりました。現在の不動産市況から見ると、本来の目的は達成されたように思いますが、資産の組み換えを行うには、メリットのある特例ですので、延長には歓迎です。
 
 またこのブログでも何回か書きました証券税制では、平成19年12月、20年3月にそれぞれ期限を迎える上場株式の譲渡益と配当に対する10%の軽減税率(本則20%)が結局1年延長となりました。

 政府税制調査会が提言していた金融一体課税が先送りとなりあいまいな政治決着と批判の声も聞かれますが、貯蓄から投資の流れをもっと本格的なものにするには、なんらかの優遇策は必要だと思いますので、じっくり議論してもらいたいと思います(大綱では、課題を今後1年かけて議論する方針が示されています)が、関係者が表向き足並みをそろえる「金融一体課税」には、銀行界の協力や、前提となる納税者番号制への理解などのハードルが控え、早期実現は困難との見方が一般的のようです。

あと、大綱をざっと見て気になった箇所を抜粋します。

<中小企業・ベンチャー支援>(10ページの2と3)

・特定同族会社の留保金課税制度について、適用対象から資本金の額又は出資金の額が1億円以下である会社を除外する。
・特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度について、適用除外基準である基準所得金額を1,600万円(現行800万円)に引き上げる。

 これについては、同族会社を持つ地主さんにとっても朗報だと思います。

あと円滑・適正な納税のための環境整備の最後(31ページの13)

・相続又は遺贈により取得したものとみなして相続税を課税する保険金の範囲に、わが国の保険業法の免許を受けていない外国の保険業者と締結された生命保険契約又は損害賠償契約に係る保険金を加える。

 一般の方にはあまり縁がないと思いますが、相続税の税率が高い大資産家の一部で行われていた節税方法(外国の保険業者と契約して受け取った保険金は相続税ではなく、相続税より低い税率である一時所得となった)ですが、今回の税制改正で蓋をされました。税制の穴を抜けようとする節税方法を提案する保険会社や証券会社がありますが、そのような対策は改正されれば全てが無駄になります。やはり相続対策は、地道に行うのが一番です。

まだまだ相続税関係で何点かありますが、改めて取り上げていきたいと思います。


平成18年度税制改正大綱の要旨

経済・社会を安定的に支える税制に向けて

 来年秋以降、早期に本格的かつ具体的な議論を行い、07年度を目途に少子・長寿化社会における年金、医療、介護などの社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しなどを踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組む。

税制改正の具体的内容

◇経済活性化・国際競争力の強化

減価償却制度

1)07年4月1日以後に取得する減価償却資産について、残存価額を廃止する。

2)07年4月1日以後に取得する減価償却資産は、耐用年数経過時点で1円(備忘価額)まで償却できることとする。07年3月31日以前に取得した減価償却資産は、償却可能限度額(取得価額の95%)まで償却した事業年度の翌事業年度以後5年間で均等償却できることとする。

3)法定耐用年数について、フラット・パネル・ディスプレー製造設備とフラットパネル用フィルム材料製造設備は10年から5年へ、半導体用フォトレジスト製造設備は8年から5年へ短縮する。

4)固定資産税の償却資産は資産課税としての性格を踏まえ、現行の評価方法を維持する。

中小企業・ベンチャー支援

(1)エンジェル税制

1)特定中小会社の要件を緩和する。

2)対象となる特定新規中小企業者の確認手続きを合理化する。

3)特定中小会社が発行した株式に関する譲渡所得の2分の1課税特例は2年延長する。

(2)特定同族会社の留保金課税制度について、適用対象から資本金・出資金が1億円以下の会社を除外する。

(3)特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度は、適用除外基準である基準所得金額を1600万円(現行800万円)に引き上げる。

(4)相続時精算課税制度について、推定相続人の1人が07年1月1日から08年12月31日までに取引相場のない株式の贈与を受ける場合、一定の要件を満たすときに限り60歳以上の親からの贈与にも適用することとし、非課税枠を3000万円とする。

◇金融・証券税制

 上場株式の配当と譲渡所得に関する軽減税率は、適用期限を1年延長して廃止する。この間、証券市場の状況、個人投資家の株式保有状況などを勘案し、金融商品間の損益通算の拡大策などを検討の上、成案を得て09年(度)からの導入を目指す。その際、市場の混乱を回避する観点から市場特例措置を講ずることも検討する。

◇住宅税制

(1)税源移譲に伴い所得税の住宅ローン控除制度を中低所得者層が利用した場合の減税額が減少することを踏まえ、07、08年入居者に対し、控除率を引き下げた上で控除期間を15年に延長する特例を創設する。

(2)住宅のバリアフリー改修を支援するため、控除期間を5年とした上で、改修工事に関するローン部分の控除率を引き上げるバリアフリー改修促進税制を創設する。固定資産税の減額制度も創設する。

◇国際課税

(1)国際的に活動する企業にとって移転価格税制の適用による二重課税が負担となっているとの指摘に対応し、取引相手国と相互協議が行われている間、納税を猶予する制度を導入する。

(2)外国子会社合算税制の適用を免れる租税回避行為に対処するため、合算対象となる子会社の範囲を見直す。

◇円滑・適正な納税のための環境整備

(1)電子証明書を取得した個人が07、08年分の所得税について電子申告した場合、所得税額から5000円を控除する制度を創設する。

(2)納税者がコンビニエンスストアで納税できる制度を設け、国税の納付手段を多様化する。

◇その他の政策税制

1)企業の子育て支援を促進するため、事業所内託児施設の設置費用に関する割り増し償却制度を創設する。

2)再チャレンジを支援する民間企業などへの寄付金について、税制上の優遇措置を講じる再チャレンジ支援寄付金税制を創設する。

◇その他

1)寄付金控除の控除対象限度額を総所得金額の40%(現行30%)に引き上げる。

2)組織再編税制

1.三角合併が可能となることに伴い組織再編税制について適格合併、適格分割、適格株式交換の要件および被合併法人の株主における旧株の譲渡損益の計上を繰り延べるか否かを判定する要件である合併の対価の範囲に、合併法人の親法人の株式のみが交付される場合の当該株式を加える。

2.共同で事業を行うための組織再編に該当するか否かの判定要件である「事業性」「事業関連性」について、運用面での取り扱いを明確化するため、判断基準を法令で明記する方向で検討する。

3.鉄軌道用地の評価方法の変更を07年度に実施するため、所要の措置を講じる。

検討事項

◇環境税はさまざまな政策的手法全体の中での位置付け、課税の効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、既存の税制との関係などに考慮を払いながら納税者の理解と協力を得つつ、総合的に検討する。

◇個人住民税の公的年金からの特別徴収について、09年度を目途に導入できるよう所要の準備を進める。


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Posted by funaizc at 2006年12月17日

平成18年度税制改正のポイント

今年の税制改正の中で、同族会社を持つ地主さんにとって影響のあるオーナー給与の給与所得控除部分の損金不算入について説明しておきます。

改正前
法人の役員報酬は適正な金額であれば損金に算入できる。役員賞与は損金に算入できない。
              ↓↓
改正後(平成18年4月1日以後開始事業年度から適用)
同族会社の役員が一定の条件を持つ場合、役員給与として支給されるもののうち給与所得控除として計算される金額は損金に算入できない。役員賞与のうち、年2回のボーナスなど定期的な賞与は損金算入できる。

適用対象となる会社
同族会社の業務を主催する役員及びその同族関係者等が発行済株式の総数の90%以上の数の株式を有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占める会社。但し、その同族会社の所得等の金額(所得金額と所得金額の計算上損金の額に算入されたその給与の額の合計額)の直前3年以内に開始する事業年度における平均額が、年800万円以下である場合、およびその平均額が年800万円超年3000万円以下であり、かつ、その平均額の占めるその給与の額の割合が50%以下である場合は、適用除外となる。
(同族関係者…配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族、内縁関係にある者等)

適用除外とする方法としては、常識的に考えた妥当な範囲内で、所得の分散をはかり、役員報酬最高額者を800万円以下に抑えたり、役員報酬を減額し、法人契約の保険に加入するなどがあります。


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Posted by funaizc at 2006年05月07日

平成18年度税制改正のポイント 

昨日(4/22)の財産コンサルタントスクールは、羽田 孜 民主党最高顧問(元内閣総理大臣)や、アッシー、ジモティ、コヤジなどの流行語の造語でも知られるマーケティングコンサルタントの西川りゅうじん先生などをお招きして、終日充実した講義が行われました。第二講座では、右山昌一郎先生より「平成18年度・税制改正のポイント」について、お話いただきました。すでに平成18年度の税制改正についての紹介はあちらこちらで行われていますので、ここでは今回の税制改正の中でも大きく変わった相続税の物納制度と実質的な一人会社のオーナー役員への役員給与の損金算入制限措置について書いていきたいと思います。


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Posted by funaizc at 2006年04月23日

平成18年度税制改正大綱について(相続・不動産関連)

与党(自由民主党・公明党)は、先日15日、「平成18年度税制改正大綱」をとりまとめ、公表しました。
 概要については、既に新聞やWeb上に公開されていますので、ここでは、当ホームページに関連しそうな項目(相続・不動産関連)について少しまとめてみました。
全文は→ 「平成18年度税制改正大綱」
http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2005/pdf/seisaku-018a.pdfをご覧下さい。

相続時精算課税制度の住宅取得資金の特例の2年延長

相続・贈与関連では、住宅取得資金の贈与特例(いわゆる「5分5乗方式」)は予定通り平成17年12月31日をもって廃止されますが、相続時精算課税の基礎控除(2,500万円)に住宅の取得等をすると上乗せされる1,000万円部分の特例は2年間期間延長されます。

物納制度の改正(2006年4月1日以後の相続)

市街化調整土地や無道路地について、他に物納財産がなければ物納対象とする、と一見物納の条件が緩和されるように見られる改正もありますが、実際の実務は厳格に厳しくなりそうです。これまでは「とりあえず物納申請」をしておいて、測量等は物納申請後で多少時間がかかっても、税務署側もそれを容認していました。物納完了まで何年もかかるケースが多かったのですが、これからはそうはいかず、申請側にも税務署側にも厳しい実務対応が求められそうです。
 測量図や境界確認書は物納申請時提出が原則となり、その提出がなければ税務署長がその提出を求め、20日以内に提出がなければ物納申請は却下となります。ただしこの期間を最長で1年は延長することもできますが、3ケ月ごとに延長の届出が必要になるとのことです。
 その変わりと言う訳ではないでしょうが、税務署側は物納申請時又は上記延長日から3ケ月ないし9ケ月以内に物納の結論を出すそうです。結論が出ないままこの期間を経過すれば物納許可があったものとされるそうですので、申請者にとっては、早く安心?できるようになるかもしれません。
 また物納なら利子税(金利相当額)は不要でしたが、これからは物納審査事務期間を除き物納完了までの期間について利子税がかかるようです。

延納期間中の物納選択

相続税を延納中の者が、資力の状況の変化により延納による納税が困難となった場合には、申告期限から10年以内に限り、延納の残額を限度として、物納を選択することが出来る制度が創設されます。(この場合における物納財産の収納価格は、その物納申請時の価格となります)

公示制度の廃止(2006年4月1日から)

所得税(長者番付)、相続税・贈与税、法人税などが対象。05年4月に施行された個人情報保護法により、個人情報の保護に重きを置くようになりました。長者番付けは、もう見られなくなります。

登録免許税の特例措置の縮小(2006年3月31日)

特例措置の廃止により、遺贈・贈与では2%。相続、保存登記では0.4%となります。但し、土地の売買による所有権の移転登記は1%が継続となりました(2006年4月1日〜2008年3月31日)。

不動産取得税の標準税率の特例措置

標準税率(本則4%)を3%としている特例措置の廃止が予定されていた不動産取得税は、店舗、事務所等の住宅以外の家屋に係る特例措置は廃止(2年間に限り標準税率を3.5%とする経過措置有り)されますが、その他の多くは平成21年3月31日まで延長されました。

同族会社の損金算入制度を見直し(オーナーへの給与支給に増税措置)

 同族会社を持つ地主さんにとって、気になるのは、同族会社が支給する社長への給与のうち「給与所得控除相当額」を損金不算入とする措置です。これは、個人の事業と、それと実質的に変わらないような同族法人との税負担格差を是正するのが目的と思われます。
 現状では、同族会社からオーナー社長へ給与が支給された場合、個人・法人全体の課税範囲は、法人税は、支給給与部分が損金に算入され、所得税は、支給給与部分のうちの一定額(給与所得控除)が控除となって減少します。会社からの給与という形態を採ることによって、法人・個人の両方で控除できる部分が発生することになり、これが個人事業形態の税負担との間に不均衡があるとして見直されたものだと思います。具体的には、所得税は現行どおりだが、法人税段階での社長に対する給与のうち「給与所得控除相当額分」は損金に算入されなくなるようです。
 適用会社は、「社長及び同族関係者等が株式の90%以上を所有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占めている」同族会社ですが、おおかたの同族法人は、その対象となると思いますので、同族法人に対する法人税は増税となることは間違いないと思います。


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Posted by funaizc at 2005年12月18日

税制の抜本改正は先送りも増税だけは待ったなし…

今年6月21日に政府税調から「個人所得課税に関する論点整理」と称する増税案が発表されました。いわゆるサラリーマン増税といわれたものですが、給与所得控除の見直しは、サラリーマンだけでなく、不動産管理会社などの同族法人を持つ大家さんにとってもその動向がとっても気になるところですが、またしても増税の話がぞろぞろ出てきています。
 政府税制調査会(首相の諮問機関)が2006年度税制改正に向け今月下旬にまとめる答申の骨格を見てみると、税制についての新しい枠組みを提言するのではなく、過去に導入した減税措置の整理(廃止(増税)方向)に重点が置かれています。消費税率の引き上げ議論が今後本格化するのをにらんで、所得税制を含めた税制の抜本的な見直しは来年論議に先送りし、期間限定で設けた減税措置を集中的に整理、縮小しているのが目立ちます。登録免許税と不動産取得税の減税措置の廃止は、マイホームの購入を考えている個人のみならず、地主さんをはじめとし、不動産取引に関連する人達にとっても大きな影響があるのではないでしょうか。

答申原案の骨子は、
■定率減税は景気回復までの措置で全廃
■情報技術(IT)投資促進税制などによる法人税減税の特例措置は期限を延長しない
■特定財源は道路特定財源を含め一般財源化
■高額納税者の公示制度は廃止
■同種、同等の酒類には同じ税を課すなど酒税体系を簡素化
■登録免許税、不動産取得税の軽減措置の期限延長はしない

 今年の税制改正では見送られた「第3のビール」(ビール風飲料)の増税については、「酒類の分類の簡素化と税負担格差を縮小する」との方向性は明記されましたが、見直し時期などは2007年度以降の継続協議となっていました。環境省が提唱する環境税をめぐっては、「地球温暖化防止につながる」とする推進派と「景気に悪影響を及ぼす」とする反対派が対立し、結論が出なかったようです。また、相続税の物納基準の緩和、手続きの効率化については、その内容が気になるところです。

 なお、登録免許税は、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの登記には特例税率(相続登記の場合は、0.2%、売買による所有権移転の場合は、1%)が適用されていますが、平成18年4月1日からは、本来の税率(相続登記の場合は、0.4%、売買による所有権移転の場合は、2%)が適用されることになると思います。

不動産取得税も、平成15年4月1日から平成18年3月31日までに取得した場合は、土地や家屋の価格(固定資産税評価額)の3%となっていますが、こちらも本来の税率である4%になるのだろうと思います。なお、宅地については、平成17年12月31日までに取得した宅地(宅地比準土地を含む。)については、課税標準が2分の1に軽減されています。


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Posted by funaizc at 2005年11月20日

最高裁が初判断、「遺産分割前の賃料収入は、法定相続割合で取得すべき」…

賃貸不動産の所有者が死亡し、複数の相続人がいる場合に、遺産分割が確定するまでの間に発生した賃貸料などの収入をどう分配するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は8日、「遺産分割までに生じた賃料収入は、遺産である賃貸不動産とは別の財産なので、各相続人が法定相続割合に応じて取得すべきであり、後に決まった遺産分割の影響は受けない」との初判断を示し、遺産分割結果に従って分けるよう命じた2審判決を破棄、審理を大阪高裁に差し戻しました。

判例:平成17年09月08日 第一小法廷判決
平成16年(受)第1222号 預託金返還請求事件
原審:大阪高等裁判所 (平成15年(ネ)第3264号)


主文:原判決を破棄する。本件を大阪高等裁判所に差し戻す。

原審の判断を是認することができない理由については、
「遺産は,相続人が数人あるときは,相続開始から遺産分割までの間,共同相続人の共有に属するものであるから,この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は,遺産とは別個の財産というべきであって,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は,相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は,後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきである。」
等としています。

民法では、『相続人が複数いる場合には、相続財産はその共有に属し(同898条)、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利・義務を承継する(同899条)』となっています。
しかしながら、この共同所有関係は、遺産分割が行われるまでの過渡的・暫定的な所有形態ですので、最終的には、遺産分割を行うことによって、相続財産を構成する個々の財産について、共同相続人のいずれかに確定的に帰属し、その効果は相続開始時にさかのぼってその効力を生ずるとされています(同909条)。この点を強調すると、遺産分割によって元物(ここでは賃貸不動産)を取得した者が、当然に果実(ここでは賃料収入)をも取得することとなり果実は独立に分割の対象とはならないと考えられそうですが、これまでの判例でも、果実は相続財産である元物から相続開始後に生じたものであるので、相続財産とは別個の共有財産として扱うものとの考えられていました。

今回の事件では、遺産分割確定までの賃料収入の分け方について、下級審で判断が分かれていましたが、今回初めて、最高裁が法定相続割合で分配するとの判断を示しましたので、今後同様の事件についても、また実務上の対応についても大きな影響を及ぼすことになると思います。
 同様の争いが起こってしまっている場合であれば、今回の判断が示されたことにより、果実(賃料収入など)については、法定相続割合での分配でまとめることになると思いますが、相続(遺産分割)に携わる者としては、最初から果実を法定相続で分配することを前提にしてしまうと、実務上は少々複雑になってしまうような気がしてしまいます。

今回の訴訟は、1996年に死亡した大阪府吹田市の男性の妻が2001年、息子を相手取って起こしたものですが、最初の分割争いから10年近くも親子間で争っていることになります。天国に行ったお父さんはさぞかし悲しんでいることだと思います。このような争いを防ぐためにも、遺言書などによる争族対策をおすすめ致します。


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Posted by funaizc at 2005年09月10日

ゴルフ会員権譲渡損の損益通算は廃止見込み!政府税調検討、報告書に盛り込まれる・・・

政府税制調査会は先週、ゴルフ会員権や高額な貴金属、骨董(こっとう)品などの売買で生じる利益(譲渡所得)を総合課税から分離課税に移行させる検討に入ったとも発表しました。21日に発表される個人所得課税についての報告書に盛り込まれるようです。実現すればゴルフ会員権の売却損を他の所得などと相殺(損益通算)して所得税額を圧縮する仕組みは廃止となります。

分離課税にした場合、国の所得税と地方の個人住民税を合わせて20%の税率を適用する案が浮上している。現在は他の所得と合算し、最高50%の累進税率で課税されているため、高所得者が売却益を出した場合は、現行より納税額が減りますが、損失が出ても他の所得と相殺することができなくなり、多額の含み損を抱えた会員権の所有者は、売却をすれば税負担が重くなります。

不動産の譲渡損については、既に2004年から損益通算が不可となり、「株式」の譲渡損と同様に、給与所得や事業所得など他の所得との損益通算ができなくなり、青色であっても翌年以降への繰越控除もできなくなりました(なおマイホームの譲渡損については一定条件のもとで損益通算と繰越控除が可能です)。

現行の所得税ではゴルフ会員権についての譲渡損は他の所得との損益通算が可能です。そして青色申告ならばその後の3年間にわたり繰越控除できますので、ゴルフ会員権の譲渡損は、青色申告なら売却年からの合計4年間の他の所得と通算できます。青色申告でなくとも売却年の他の所得と通算できます。

政府税調は「故意に損失を出して納税額を抑え、節税に利用している事例がある」とみており、これまでもゴルフ会員権の売却損と他の所得との相殺を問題視してきました。

ゴルフ会員権の譲渡損失については、所得税法69条2項の生活に通常必要でない資産の所得の計算上生じた損失の額は、他の所得との損益通算が所得税法できない旨の定めがあり、「生活に通常必要でない資産」を定めている施行令178条にゴルフ会員権を盛り込むことにより、損益通算が廃止されると考えられます。廃止になれば含み損を税務で使うチャンスは永遠に失われますので、含み損を抱えたゴルフ会員権をお持ちの方は一考の必要があります。

「生活に通常必要でない資産」とは
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Posted by funaizc at 2005年06月19日

個人所得課税に関する報告書(概要)政府税制調査会が来週発表…

政府税制調査会(首相の諮問機関)が来週発表する個人所得課税に関する報告書の概要が先週明らかになりました。地方への「税源移譲」に向け所得税と個人住民税の税率を2006年度税制改正で抜本的に見直すと提言するとの事です。個人所得課税の税率改定は2007年からで、所得税・住民税の合計負担に大きな変化はない見込みとのことですが、今年の税制改正で半減を決めた定率減税(所得税と個人住民税を最大で年29万円軽減)の廃止に言及するとの事です。

所得税から住民税への本格的な税源移譲を打ち出しており、住民税は現行三段階(5%、10%、13%)の税率を10%に一本化し、低所得者には所得税で10%より低い税区分(5%)の新設を求めています。所得税と住民税を合わせた最高税率は現行の50%を維持し、多くの所得階層での実効税率を変えず、地方への税源移譲を進めていくようです。
なお、あわせて住民税の課税基準年を、「前年」から「所得が発生した年」に改める検討もされています。

気になる所得控除の見直しですが、サラリーマンの経費として給与収入から一定額を自動的に差し引く給与所得控除について、政府税調は、実際の経費が差し引けるような「柔軟な仕組みを構築すべきだ」と提案しています。確定申告で経費の実額を控除できる制度を拡充するとの事ですが、実質的には給与所得控除の縮小につながりそうです。自営業者の徴税も強化し、税の不公平感を解消を狙うとの事ですが、基本的には増税路線に違いないと思います。来年には、消費税の引き上げ議論も本格化すると思いますが、増税議論ばかりでなく、歳出削減や政府のリストラについてもっと真剣に考えて欲しいものです。

個人所得課税に関する報告書(概要)
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Posted by funaizc at 2005年06月18日

増税の足音、政府税制調査会の報告書(今月中に公表)に思う事・・・

今朝の新聞にも、政府税制調査会(首相の諮問機関)が自治体が集める個人住民税の納税方法の抜本見直し(前の年の所得に課税する仕組みから、所得税と同様に所得が生じた年に課税する方式へ移行する)を提言するという記事がありましたが、最近、6月下旬に公表される「個人所得課税などに関する報告書」に関する記事をよく見かけると思います。
 7日には、収入の少ない親族(ニート)などを養っている納税者の税負担を軽くする扶養控除を見直す(増税方向)方針を決めたとの発表がありましたが、今回まとまられる報告書からは、確実に増税時代の足音が聞こえてきそうです。

報告書には、「給与所得控除」の縮小、一時所得・不動産所得の所得区分の廃止、配偶者控除の見直し、個人住民税の均等割引き上げ、同所得割の税率10%に一本化、共働き夫婦の所得合算課税、退職金課税の強化などが提言されていると言われており、今後の所得税制の検討課題を総ざらいで列挙した形になっているようです。

それぞれの項目がいつ実施されるのかは不明ですが、定率減税の縮小・廃止や消費税率の引き上げ論議を目前に控え、財務省内にすら「大型の所得増税を上乗せするのは難しい」との声もあるようですが、近い将来(2009年頃?)の「消費税率のUP」も控えているだけに、その前になんとかしたいと考えているのではないでしょうか?

危機的な状況であると言われている日本の財政状況や、これからますます増える社会保障の財源問題の事を考えると、増税はある程度やむを得ないとは思うものの、まだまだ増税の前にやれることもあるだろうと思うのは、きっと私だけではないと思います。

相続税については、これまでに最高税率の引き下げや、広大地評価の大幅見直しにより、かなり負担が軽減されたように思いますが、これからは間違いなく相続税に関しても増税の方向に進むのではないかと心配されます。
 今回の「給与所得控除」の縮小も実施されれば、同族法人を使った税金対策にも影響があると思われますので、注意して見ていきたいと思います。


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Posted by funaizc at 2005年06月11日

生前に交付された金員は立替金でなく贈与済みの財産と認定

少し前(2005年3月30日)の静岡地裁判決(平成12年(行ウ)第16号))についてですが、興味ある判決だったのでご紹介しようと思います。

生前、被相続人が相続人に渡したお金が立替金として交付されたものか、それとも相続人への交付時に贈与されたものなのかその判定が争われた事件で、静岡地裁(富岡章裁判長)は被相続人から相続人に対する生前贈与と認定するとともに、相続開始前3年内の贈与にも該当しないため、相続税の課税対象財産にもならないことから相続税の納税義務もないと判示、原処分を全て取り消しました。

少々乱暴ですが、簡単に内容をまとめますと、息子達が、S63年〜平成3年の間に自ら役員をつとめる会社からお金を借り(計32億円)株などに投資をしたが、失敗したため、その返済資金を父親が自身の口座から息子の口座に振り込み息子はそのお金を会社に返済しました。

その後、平成8年に父親が亡くなり、相続税の税務調査でその32億円が問題となりました。

税務署は、親が出したお金は、取引銀行から返済を迫られた会社を救済するために、親から子に渡したものであり、親子間での贈与契約書もないので、贈与ではなく返済のための立て替え金(貸付金)であると主張しました。

子側は、親から返還を求められたこともないし、金銭消費貸借契約などもないので、贈与でもらったと主張しました。

子側が贈与を主張するのは、贈与を受けたのは平成3年までであり、相続発生時点で既に贈与税は時効になっており、また贈与から3年以上経過しているので、相続財産には含まれないと考えるからです。

しかしながら、税務署は「実質的に親の財産」という主張を崩さず、32億円への相続税の課税処分を行いました。

そして裁判となり、静岡地裁は、「子供達だけでなく、会社の経理担当(お金を振り込んだ人)も贈与と思っており、また返還を求められたこともなく、返還する能力もなかったのだから立て替え金とは言えない。贈与税の申告をしていないからと言って贈与ではないとは言えない」と言う事で、贈与と認める判決を下しました。

結果、子側の主張が全面的に認められ、32億円は何の課税もされませんでした。


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Posted by funaizc at 2005年05月22日

不動産取得税の中古住宅への軽減措置における建築士の「証明書」について

平成17年税制改正で、住宅ローン控除の適用要件から築後経過年数の規制が撤廃され、築後経過年数を超えた中古住宅でも新耐震基準に適合しており、建築士が認定した「証明書」があれば住宅ローン控除が適用できるようですが、不動産取得税の特例措置においても同様の要件が撤廃されます。ですので、住宅ローン控除を適用する際に必要となる「証明書」がここでも必要となってきますので、「証明書」の有無が重要になります。

(中古住宅等の不動産取得税の特例措置について)

 不動産取得税は、都道府県が課す地方税で、土地や家屋を売買や贈与、新築などによって取得した場合に、その不動産が所在する都道府県において、その取得した者に課税されます。

 不動産取得税は、その課税標準に固定資産税評価額を用い、原則として3%の標準税率を乗じて計算しますが、住宅用の家屋を取得する場合は軽減措置があり、その住宅用家屋が一定の要件に該当する新築住宅や中古住宅の場合にはさらなる特例措置があります。

 その要件とは、床面積が50岼幣紕横苅悪岼焚爾如以前に住居の用に供されたことがあり、かつ、個人が自分の居住用として取得した住宅でなければなりません。

中古住宅及びその土地に係る不動産取得税の課税標準等の特例措置の対象となる住宅に、木造住宅等にあっては築20年超の住宅、鉄筋コンクリート造住宅等にあっては築2 5 年超の住宅のうち、新耐震基準に適合している住宅(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の住宅等については、新耐震基準に適合している住宅とみなす。)となっていました。
 
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Posted by funaizc at 2005年04月02日

「ゴルフ会員権訴訟」の波紋、更正の請求・還付嘆願 増加へ

2月13日のブログで、ゴルフ会員権の名義書換料で納税者が逆転勝訴した最高裁の判決を紹介しましたが、今日はその続編です。というのは、昨日会社の勉強会で「平成17年度税制改正のポイントと実務上の留意点」について、日本税務会計学会顧問の右山昌一郎先生よりご講義いただいたのですが、その右山先生が、今回の「ゴルフ会員権訴訟」の当事者(右山先生がご子息の税理士登録のお祝いとしてゴルフ会員権を贈与)であったことを講義の冒頭で聞き、直接お話を聞けたからです。正しい条文解釈と自らの信念により、昭和48年から続いていた国税当局の明らかな間違いを7年という歳月をかけ改めさせた右山先生を改めて尊敬しました。

今回の判決は、単にゴルフ会員権における名義書換料の取得費にとどまるものではありませんので、譲渡不動産の登記にともなう登録免許税の支出など、これまで控除を認められなかった部分についても影響がでますので課税実務の見直しが必要になってきます。

また、国税庁は記者会見で、今回の裁判と同様に贈与されたゴルフ会員権の名義書換料を取得費に含まなかったケースなどについては、「更正の請求をして頂くことで対応していく」と発表しており、国税庁からのお知らせ資料(下記内容)内で、5年を経過している年分の所得税については、還付できないとしていますので、更正の請求期限(法定申告期限から1年間)を過ぎた後でも5年以内であれば、嘆願書により還付が可能となります。

(還付嘆願は、税務署にお願いして税金を戻してもらうための手続ですが、これまでは税務署長の職権によるものであったため、その判定基準があいまいだったが、行政事件訴訟法(平成17年4月1日から施行)の義務付け訴訟でできるようになるので、これまでとは違って5年以内なら確実にできるようになるともおっしゃっていました。)

いずれにしても、今後、更正の請求や還付嘆願が増加するのは間違いないと思われます。


贈与・相続により取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の取得費について =国税庁公表(おしらせ)資料より=

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Posted by funaizc at 2005年02月20日

納税者が逆転勝訴、ゴルフ会員権の名義書換料は「取得費」に

ゴルフ会員権訴訟:名義書換数料の控除OK 国税側の逆転敗訴確定−−最高裁

贈与により取得したゴルフ会員権を売却する際に贈与を受けた際に支払った名義書換手数料が、「取得費」として認められる(所得から控除できる)かどうかが争われていた訴訟(平成17年02月01日 第三小法廷判決 平成13年(行ヒ)第276号 所得税更正処分取消請求事件)で、最高裁(濱田邦夫裁判長)は、「取得費として認められない」とした東京高裁の判決を破棄し、名義書換手数料は「受贈者が贈与者から資産を取得するための付随費用に含まれ、手数料はこの費用に当たる」と認定し、納税者の主張を認める判決を言い渡しました。

判決資料などによると、昭和63年に原告の父が購入したゴルフ会員権を原告(息子)が平成5年に譲り受け、原告(息子)はその際、ゴルフ会員権の購入先に名義書換料として82万4千円を支払った。その後、原告(息子)は平成9年に、その会員権を100万円で売却し、翌年の確定申告で名義書換料を「取得費」に計上し申告していたが、同年10月課税当局は「手数料を取得費に含めることはできない」として更正処分を行った。
 この処分を不服として、納税者が訴訟を提起しましたが、1,2審ともに、納税者の主張を退けていました。

所得税法60条では、贈与などで得た資産の譲渡所得の計算について、その者が引き続き所有していたものと見なすと定めている。このため、1,2審ともに「譲渡所得の算出では、贈与はなかったものと考えるため、所有権移転で支払う費用も無視するしかない」という判断から、名義書換手数料を取得費に入れることはできないとしていました。

判決では、譲渡所得金額の算定において、資産取得後の支出である中間の付随費用が「資産の取得に要した金額」にあたるべきと解すべき,としています。この取り扱いは、所得税法60条1項に基づいてされる譲渡所得の金額において適用されると考えられ、贈与に限らず同法60条1項に規定されている相続、遺贈にも、また資産についてもゴルフ会員権に限定されないで適用できるので、実務(確定申告)にも大きな影響を与えると思われます。


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Posted by funaizc at 2005年02月13日

定期借地権、前払い賃料(地代)の課税明確化で活用メリット

定期借地権活用については、契約時に授受する金銭の性格は「権利金」か「保証金」のどちらかです。受け取った側(地主さん)の課税は、権利金なら受領時にその全額が不動産所得(例外:譲渡所得)として課税されます。累進税率で思い税負担となるため、地主さんとしては権利金ではなく保証金にせざるを得ないケースも多く、定期借地権の活用のネックとなっていました。

この件
『定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における税務上の取扱い』
についての税務上の新しい取り扱い方法国土交通省からの照会への国税庁としての回答書)が、国税庁のホームページに公表されています。

今回の回答書により、「権利金」・「保証金」の他に「前払い地代」としての取り扱いが可能となりました。

50年の定期借地契約で権利金6000万円とすれば、税負担の重い不動産所得(例外:譲渡所得)となりますが、年120万円の地代の50年分の「前払い地代」6000万円との契約書にすれば、それとは違う課税ができるようになりました。

受け取った側(地主さん)は、50年間に渡り毎年120万円づつ不動産所得に計上でき、支払った側(借主)は、50年間毎年120万円づつ経費にできるので、キャッシュフロー上のメリットが出ます。これまでの「権利金」や「保証金」ではこのような経費化はできませんでしたので、貸主にとっても借主にとっても定期借地権の使い勝手はこれまでにくらべて格段によくなると思います。

<税務上、「前払い賃料」と認められるためのポイント>

・一定の書式事例に則った契約書を作成すること
・契約書を契約期間にわたって保管すること
・取引実態が契約に沿っていること

前払賃料について定めた定期借地権設定契約書の書式例


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Posted by funaizc at 2005年01月29日

平成17年度税制改正で、適用期限が延長される特例

昨年与党が、公表しました平成17年度税制改正大綱により、適用期限が平成17年3月31日までとなっている各種特例措置について、平成17年度以降も特例が延長されるか、廃止になるかの基本的な方針が明らかになりました。

以下に国税の各種税制特例を設けている租税特別措置法について、平成17年度改正で、適用期限の延長が予定されている特例(の一部)を紹介します。期限延長の改正が行われる場合は、同時に特例措置の追加や削除、適用用件,軽減措置の見直しが行われる場合がありますので、注意が必要です。


適用期限の延長(2年)が予定されている特例の一部(不動産関連)

・ 住宅用家屋の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減
・ 住宅取得資金の貸し付け等に係る抵当権の設定登記に係る 
  登録免許税の軽減
・ 住宅用家屋の所有権保存登記に係る登録免許税の軽減
・ 不動産譲渡に関する契約書に係る印紙税の税率の特例
・ 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等
  の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・ 優良賃貸住宅等の割り増し償却制度       etc


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Posted by funaizc at 2005年01月09日

来年の確定申告−日曜オープンは211税務署

今年も残すところあと2日となりました。今日or明日中に大掃除という方も多いのではないでしょうか?

私も今日は仕事が休みなので、なかなか普段できない書類の整理などをやりながら、来年の確定申告の準備をしています。最もやっかいなのが、株式の譲渡益の申告準備です。

私の場合、証券会社が数社あることもあり特定口座にしていないので、取引報告書の集計をしなければならず、1年分まとめてやるのですが、去年は申告期限間近にやって大変でしたので、今年は年内にやっておこうと思っています(たいした利益はないのですが、取引件数はそれなりに多いのでちょっと大変です・・・)。

さて、来年もまた平成17年2月16日(水)〜3月15日(火)が確定申告の期間となりますが、来年は、2月20日と2月27日の日曜日に211の税務署がオープンし、確定申告の相談業務や申告書の受付をしてくれます。

日曜オープンは、今年の確定申告期間から実施されましたが、来年は今年よりも41署減少されるようです。但し、減らされた地域では、新たに広域センターを設けて日曜日対応を行うこととなっています。

詳しくは、税務署の閉庁日における確定申告の相談等の実施について(国税庁)をご覧下さい。


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Posted by funaizc at 2004年12月30日

増税路線へ、2005年度税制改正大綱のポイント

これまでにも何回か来年度の税制改正の内容については、書いてきましたが、15日、与党(自民、公明両党)は、2005年度税制改正大綱を正式に決定しました。

今回は、昨年の不動産売却での損益通算規制のような闇討ち改正はなく、ゴルフ会員権の譲渡損の損益通算も見送られました。

最も話題になっていた定率減税の縮小については、景気への影響を配慮し、2006年度に原則廃止する方針をにじませながらも、廃止時期は明確にせず、景気の動向次第で必要があれば05年度の縮小も含めて方針を見直し、「経済状況に機動的、弾力的に対応する」と明記した弾力条項が盛り込まれています。

 高齢者に対する個人住民税の非課税措置の廃止なども盛り込まれ、全体的に個人を標的にした増税色の濃い内容となっています。2005年度の増税額は1700億円程度にとどまる見通しですが、2006年度は定率減税の半減分だけで1兆4000億円の増税を見込んでおり、2006年度以降の増税に道筋を付ける内容となっています。

相続税に関しては、改正はなかったものの、政府税制調査会の答申では、「相続税の課税ベースの拡大に引き続き取り組むことが課題である」となっていますので、やはり今後は増税の方向になることが予想されます。

その他、11/21付け記事でも紹介した航空機リースに対する規制も盛り込まれるなど、全体的にはほぼ予想通り?の内容となりました。


わが国の危機的?な財政状況を考えると、その再建は最重要課題であると考えらますので財政健全化に向けての増税路線は多少やむを得ないとは思いますが、やはり先ず取り組むべきことは、聖域なき歳出削減と官のスリム化・効率化ではないでしょうか。その上で、規制撤廃・緩和、新事業の創造を促進し、内需拡大などによる安定した経済成長による税収増を実現させるべきだと思います。

あと、個人的には、海外投資家への課税強化(海外の投資家が投資ファンドの一種である民法組合を通じて日本に投資した場合、利益に対して05年4月から源泉徴収で課税される,総資産の5割以上を不動産で占める企業を買収して得た利益は05年度から申告納税対象になる)を興味深く見ています。昨今話題になっているファンドバブル(収益物件(ビル等)の奪い合いが過熱)には、外資の動向が大きくかかわってきますので、今後の動向にはとても注意が必要ではないかと思います。

また金融所得に対する課税の一体化については、検討課題となり、今回も大きな前進が見られませんでした。納税者番号制度の導入については慎重に考えて欲しいとは思いますが、金融一体課税については、早期に導入されることを期待しています。


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Posted by funaizc at 2004年12月18日

気になる平成17年度税制改正(案?)あれこれ

平成17年度税制改正にむけて自民党税制調査会などで、議論されている内容で気になる内容(12/4時点の情報)をちょっと整理してみます。

焦点となっている所得税と個人住民税の税額の一定割合を差し引く定率減税は2005年度から段階的に縮小する方向で検討に入ったとの事で、2005年度の縮小幅は半分以下、2006年度にさらに縮小(廃止)するかどうかは、景気動向や景気に与える影響を見ながら引き続き検討する(結論が出なかった)ようです。
廃止を巡っては、慎重論も多く決着に向け、2年で廃止、廃止時期の先送り、新減税制度の導入といった3案を軸に今後、本格的に調整に入るようです。

・中古住宅購入の際の住宅ローン減税を適用する築後年数要件緩和を検討(現在、マンションなら建築後25年以内、木造住宅なら同20年以内としている要件を延長・撤廃する方向で調整)中。

・地球温暖化対策のため化石燃料に課税する環境税の創設については、見送る方針。

・原材料を変えてビールより酒税負担を低く抑えた「第3のビール」(ビール風飲料)の増税も、来年度税制改正では見送る方針(「第3のビール」は、麦芽の代わりにエンドウ豆のたんぱくを使い、税率を抑えたサッポロビールの「ドラフトワン」が代表商品です)。

・預貯金の利子や株式譲渡益、配当など金融所得の一体課税について、既報の通り見送り。

あと、昨年は年末間近(12月17日)になって年明け(1月1日)からの不動産の譲渡損の損益通算規制が決まり、多くの人?が、急ぎ(年内に)値下がり物件を身内間で売買契約をしたとの話を聞きました。今年は、ゴルフ会員権の譲渡規制(ゴルフ会員権譲渡損の損益通算廃止)があるのではと言われていましたが、2005年からの規制の可能性は低くなったと噂されています。ただ中期的には規制されるのは、ほぼ間違いないと言われていますので、損益通算ができる今の内に、売買などの処理をしておいた方がよいのではないでしょうか。



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Posted by funaizc at 2004年12月04日

続)金融商品の課税方法について

11月23日のコンサルのひとり言で、外貨預金と外貨MMFのことを書きましたが、タイトルに書いた課税方法についてあまり書けなかったので今回書いてみます。

その前に、やはりこの円高のせいか、外貨(定期)預金の新聞広告が増えたように思います。その中でも、ソニーバンクの『ソニーバンク外貨キャンペーン』の広告は、外貨預金に興味を持っている方ならとても魅力的ではないでしょうか?

なんと言っても、ただでさえ安い手数料が、キャンペーン期間中は、

 円←→米ドル・ユーロ          片道 10銭 (通常25銭)
 円←→豪ドル・NZドル・英ポンドなど 片道 30銭 (通常50銭)

と、他の金融機関が追随できないコストで提供しています。

さて、本題の金融商品の課税方法ですが、
課税方法は、大きく分けて、以下のようになります。

機ナ離課税

 源泉分離課税
  ・源泉徴収と分離課税を併せて行う課税方式で、預貯金や債権
   の利息、MMFや外貨建てMMFの分配金などは、受け取る
   時点で税金を徴収されています。   

 申告分離課税
  ・自分で確定申告をして、売却額から購入額や手数料などを差
   し引いて、その差額に課税されるものですが、株式・株式投
   信の売買益・日経平均先物・オプション取引・商品先物取引
   などは、確定申告で、他の所得と分けて課税されます。


供チ躪膕歙

・総合課税の対象となるのは、
’枦所得  源泉分離課税とされるもの、源泉分離課税や確
 定申告をしないことを選択したものを除く
給与所得
0貉所得  源泉分離課税とされるものを除く
せ┰蠧  株式等の譲渡等による雑所得、源泉分離課税とさ
れるものを除く
ド堝飴砂蠧
事業所得  株式等の譲渡等による事業所得を除く
Ь渡所得  土地及び株式等の譲渡等による譲渡所得、源泉分
離課税とされるものを除く
利子所得  源泉分離課税とされるものを除く

  で、外貨預金の為替差益や為替証拠金取引、金の売却益(雑所
得)などいろんなものが該当し、給与所得など他の所得と合算
して確定申告をします。

掘ゲ歙任覆

・外貨建てMMFや外貨建て利付け債や国債・普通社債の売却
益は、課税されません。

※総合課税の場合は、所得(課税所得)の高い人ほど、税率が高
くなりますので、不利になります。

所得税の税率

  課税所得           税率 

  330万円以下          10% 
  330万円超〜900万円以下    20%
  900万円超〜1,800万円以下   30%
 1,800万円超           37%

住民税(都道府県民税+市町村民税)の税率

  課税所得           税率

  200万円以下の金額       5%
  200万円を超〜700万円以下   10%
  700万円を超え        13%


<補足>
外貨建てMMFの為替差益は非課税となっていますが、Eトレー
ド証券のように、円を外貨に変えてから外貨建てMMFを外貨で
購入する場合は、売却時も外貨預金を経由して円に戻しますので、
結局雑所得になるようです。実際にお取引される場合は、証券会
社などによく確認してください。


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Posted by funaizc at 2004年12月02日

政府税制調査会、2005年度税制改正の答申を提出

 2005年度税制改正に関する答申を政府税制調査会が小泉純一郎首相に提出しました。個人所得税については、11/18の記事(コンサルのひとり言)にも書いた「定率減税の段階的廃止」を求めたのをはじめ、消費税率の引き上げを含む抜本的税制改革についても「2006年度をめどに結論を得る」よう求めるなど、本格的な増税路線?を打ち出したようです。

 答申を踏まえ、与党は29日に自民党税制調査会を開いて来年度税制改正の議論を本格化させるとのことですが、定率減税が廃止されると、年収1000万円の夫婦と子供2人の世帯で年約18万円の実質増税となってしまいます。ただ、景気への配慮から慎重論も多いので、答申通り実施されるかどうかは流動的ですが、やはり増税はさけられないのではないでしょうか。

なお、相続税に関しての答申要旨は、

・相続税の負担については、これまでに減税や、特例の拡大により大幅に緩和されてきた。
・高齢化社会を背景に資産保有における高齢者の占める比重が高まっている。
・所得や消費、資産等の様々な課税べースに適切な負担を求めていく観点等を考慮すると、資産の再配分機能をもつ相続税の役割は一層重要である。
・より広い範囲に適切な税負担を求めるには、相続税の課税ベースの拡大に引き続き取り組むことが課題である。
・生前贈与の促進などを目的に導入された相続時精算課税制度は、親子間の遺産移転を促進し経済活性化の効果を発揮している。一層の活用に向け制度の周知に努めることが重要である。

とされています。


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Posted by funaizc at 2004年11月28日

不動産売買での引渡しは、年内よりも年明けがよい?

早いもので、今年も残すところあと1ヶ月と少しですね。今年は台風がかつてないほど、日本列島に上陸し、近年まれに見る災害に見舞われました。台風による被害に加えて、新潟県中越地震では余震も長期間にわたり被害も広がり多くの方が被害に遭われました。改めて、台風、地震などで被害を受けた人々に、お見舞い申し上げます。

年内契約の不動産売買で、引渡しを年内(12月)にする場合と、来年(たとえば1月)にする場合、意外と多くの違いがあります。特に事業用資産の買い替え特例や、居住用財産の買換特例を使って、不動産を買い換える場合は、この1ヶ月に大きな差が生じます。

まず単純に譲渡する場合ですが、年内に引渡しをした場合は、「2004年の譲渡所得」となり、2005年3月15日までに確定申告と納税が必要になります。
しかしながら、来年の引渡しであれば、「2004年の譲渡所得」としても、「2005年の譲渡所得」とすることも可能になります。これは、税務においては、契約日を基準にするか、引渡日を基準にするかは納税者が自由に選択できるからです。

2004年から不動産の売却損益と他の所得の損益との損益通算ができなくなってしまいましたが、不動産どうしの売却損益については損益通算ができますので、2005年の譲渡所得とした方が有利になる可能性があるのであれば間違いなく来年の引渡しにした方が有利になります。また来年の引渡しであれば、もし来年から増税減税があった場合(来年からの税制改正は12月にわかります)は有利な年の税制を選択して申告することもできます。

買換え特例を使う場合、買換え資産の取得期限は譲渡年の翌年末になりますので、12月と1月では、ほぼ1年の差になってしまいます。最近は不動産投資も過熱しており、なかなか良い物件が見つかりにくくなっていますので、物件選びにかける時間は長い方が、良い物件にめぐり合えるチャンスも増えるでしょうから、断然、年明けの引渡しが有利でしょう。


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Posted by funaizc at 2004年11月24日

航空機リース投資、「課税には法律上の根拠なし」名古屋地裁

航空機リース(レバレッジドリース)事業をめぐる課税処分に対する初の司法判断が名古屋地裁で下されていました(10月28日)。

そもそも航空機リース事業のスキームってどんなものかを簡単に説明しますと、
 任意組合や匿名組合契約により投資家がお金を出資して、同時に銀行借入も行い皆で航空機を購入し、購入した航空機を海外の航空会社等にリースしてリース料収入を得、リース終了後にその航空機を売却するという取引です。この取引をすると、リース期間の初めから7割くらいの期間、つまり7年リースであれば5年くらいまでは、航空機の減価償却費(航空機の購入価格を毎年一定額経費とすることができる額)と利息の合計額が、リース収入より多くなります。つまり、5年間は赤字になって、投資家が本業の所得で大きく黒字であれば、このリースによる赤字と相殺(損益通算)されて、当面税金を少なくする事ができ、リース期間の後半で黒字になって、リース終了後に航空機の売却して利益を得るというスキームです。

今年の3月頃に国税当局が、野村証券系のリース会社「野村バブコックアンドブラウン」が考案し全国の資産家に出資を勧誘した航空機リース事業について、国税当局は「課税逃れの商品」と認定(課税処分)したため、投資家の間では不安が広がっていましたが、このほどその課税処分(航空機リース事業の赤字を他の所得と合算して収入を圧縮したとして、総額約3億3000万円を追徴課税された愛知県の投資家6人の課税処分)の取り消しを求めた訴訟に対する初の司法判断が下されました。

名古屋地裁の加藤幸雄裁判長は、組合は民法上の組合に当たると判断するのが相当であり「契約は適法」とした。そのうえで、「税法上のメリットを選択することは何ら不当ではない」と指摘し、「事実認定の名の下に、法的根拠のない法律行為の否認を行うのと異ならない(「追徴課税する法的根拠がない」)とし、今回の判決では、事業性を訴えた納税者の主張が認められました。

名古屋国税局は当然、控訴する方向との事です。今後の展開に注目したいと思います。

相続税対策でもそうですが、「租税回避行為」に近い節税は、危険ですし、税法が変わると効果がなくなってしまいますので、節税を中心とした相続税対策にかたよらないようにしましょう。


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Posted by funaizc at 2004年11月21日

来年4月からの金融一体課税の導入は先送り

以前(2004.9.19)金融一体課税については、株配当などが先行導入される方針と書きましたが、政府税制調査会の基礎問題小委員会は、預貯金の利子や株式譲渡益、配当など金融所得の一体課税について、来年4月からの導入は見送る方向で一致したようです。

石弘光・政府税調会長は、金融機関との実務面の調整に時間がかかるので、2005年度税制改正答申に盛り込むのは難しいとの認識を示したとの事です。

金融一体課税「金融所得の一体課税」は、個人の金融商品取引で発生する損益をひとまとめにして課税しようというもので、個人貯蓄を株式や投資信託などの投資に向け、金融市場を活発化させようというもので、以下のようなメリット・デメリットがあると言われています。

<メリット>

・損益通算で税額を圧縮することができるようになる。

<デメリット>

・金融所得を正確に把握するために、納税者ごとに番号をつけて管理する「納税者番号制度」の導入が検討されており、プライバシー保護の問題がある。

・現行では非課税である債券の譲渡益も課税対象となる。 など

今のところ、一体課税の対象となるのは、預貯金・株式・債券・投資信託の4種類で、ゴルフ会員権や土地などは対象外となっています。

制度がどうなるのか、税率がいくらになるのかなど、これからの成り行きには注意が必要ですが、損益通算で税金が安くできるというメリットを強調して、「納税者番号制度」の導入を図ろうとするのではないでしょうか??


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Posted by funaizc at 2004年11月13日

国税庁が平成15事務年度の相続税調査の概要を公表しました

公表資料(相続税の調査事績)によると、以下数値となっています。

           平成15事務年度  対前年比
     (平成15年7月〜平成16年6月)
調査件数        12,791件   112.2%

申告漏れ件数     11,210件   110.2%

申告漏れ課税価格  3,860億円  103.0%

申告漏れ税額       840億円   98.4%

※参考
 平成14年中の             対前年比
 相続税申告者数  44,370人    96.4%

今回の調査では、特に海外資産関連の調査件数の伸びが顕著で、255件(対前年度比131.4%)となっており、国税庁が相続税の調査において国際化を進めていることがうかがえます。

なお、調査に基づく申告もれ相続財産額の種類別内訳は、おおむね以下の構成となっています。

現金・預貯金  38%
有価証券    20%
土地       20%
家屋        1%
その他      21%

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Posted by funaizc at 2004年10月31日

国税庁が平成14年分の相続税申告事績を公表しました

国税庁は、平成14年中に相続又は遺贈により財産を所得した者について、平成15年10月31日までに提出された申告書に係る申告事績を公表しました。

それによると、死亡者数は約98万人となっており、このうち相続税の申告対象となったのは、44,370人であるとの事。
 課税割合(死亡者のうち相続税の申告対象となった人の割合)は4.5%で、相続税の基礎控除額について改正のあった平成6年以降で最も低い水準となっています。

主な相続財産の額は、土地が約7.1兆円(58.7%)、現金・預金等が約2億円(16.7%)、有価証券が約1億円、家屋が0.6億円となっており、土地は、地価の下落を反映してか、平成4年分の75.9%から10年連続の減少となっています。

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Posted by funaizc at 2004年10月31日

平成15年分 相続時精算課税制度の活用状況

9月2日に投稿した記事の修正及び一部追加です。
財務省 税制調査会第18回総会(10月26日)の資料の参考資料
平成15年分 相続時精算課税制度の活用状況について
へのリンクを追加します。

財務省は、8月31日平成15年分相続時精算課税制度に係る贈与税の申告実態調査 調査結果の概要について公表しました。

従来の制度<暦年贈与>での生前贈与は基礎控除が小さいことなどから贈与税が高くなるとされ、親から子への資産の移転はあまり進まず、相続による移転がほとんどでした。そこで、生前の資産移転を促そうと昨年1月に新制度<相続時精算課税制度>が導入されました。

今回の発表で、2003年度の親から子への資産移転額が約1兆2千億円に達したことが明らかになりました。

平成15年分の贈与税の申告状況からみた相続時精算課税の利用状況

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Posted by funaizc at 2004年10月29日

金融一体課税 株配当など先行導入(政府税制調査会)


政府税制調査会(首相の諮問機関)は株式や預貯金など個人の金融商品取引で生じる損益を幅広く通算して納税額を減らせる「金融所得の一体課税」で預貯金利子に先駆けて株式の配当などを先行導入する方針であるとの事。

個人投資家の株式売買の損失と配当を相殺できるようにすることなどで、「貯蓄から投資」への流れを後押しすることになるとの事であるが、どれほどの効果があるかは???

現行制度で損益通算が認められているのは、株式と株式投信の売買損益に限られている。これに新たに株式の配当のほか、株の配当に相当する株式投信の収益分配金、公社債の売買損益を加える方向で調整するとの事で、実現すると個人投資家は、株式取引で生じた損を申告することによって、株の配当などに伴って納めた税金の払い戻しを受けられるので株式取引での税負担が軽減されることになる。



金融所得課税の一体化についての基本的考え方
続きを読む
Posted by funaizc at 2004年09月19日

相続税物納申請件数5年連続で減少


国税庁はこのほど、平成15年度の相続税物納状況ををまとめました。
 それによると、同年度の申請件数は、4,775件(対前年比83.7%)で額は2,321億円(対前年比69.8%)であり、申請件数は、平成10年度以降5年連続での減少となっています。
 
なお、処理未済件数は申請件数を上回る処理を行った結果、8217件(対前年比84.7%)となり平成11年度以降4年連続で減少したとの事です。

Posted by funaizc at 2004年09月04日

相続税の申告書の記述内容の訂正(国税速報より)


国税庁では、相続税の申告書(平成16年分以降用)については、平成16年8月6日より同庁のホームページに掲載しているところであるが、8月10日以前に掲載していた「相続税申告書第6表(平成16年分以降用)」及び「第3表・第8表2(修正申告用)」の記述の一部に誤りがあったとして、訂正した。
また、8月10日以前に、税務署窓口等において相続税の申告書の交付をした同様式についても同じ記述誤りがあるという。同庁では、注意を呼びかけている。

Posted by funaizc at 2004年08月26日

「財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらましについて(情報)


国税庁は、先に公表された財産評価基本通達の一部改正(平成16年6月4日付 課評価2−7他、No.2828参照)について、『「財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらましについて(情報)』(平成16年6月29日付資産評価企画官情報第2号、資産課税課情報第10号)を公表し、主要改正項目について適用上の留意点を示した。

今回「あらまし」に公表された項目は、基準年利率、広大地の評価、文化財建造物およびその敷地の評価、緑地保全地区内の山林等の評価、市街地山林の評価、卸売物価指数から企業物価指数への変更、の6項目で、大きな変更となった項目や今回の改正で新たに評価方法が整備された項目が中心となっています。

この中で、特に注目したい点は、今回大幅な改正となった『広大地の評価』に関する内容であり、「あらまし」によれば、「宅地開発想定図」の作成による「公共公益的施設用地」の地積算定は不要となり、地積が5,000屬鯆兇┐觜大地については、個別評価(評基通5評価方法の定めのない財産の評価)を原則としつつも、広大地補正率の下限である0.35を適用することもできる、としている点です。




Posted by funaizc at 2004年08月06日

8月2日、国税庁は平成16年分の路線価(今年1月1日現在)を公表しました。


8月2日、国税庁は相続税や贈与税の算定基準となる平成16年分の路線価(今年1月1日現在)を公表しました。調査対象は全国約41万地点で、平均は1平方メートル当たり11.5万円となりました。これは前年に比べて6千円、率では5%下がっており、12年連続の下落です。

東京圏、大阪圏、名古屋圏のいずれにおいても下落率は縮小していますが、今年の価格は全国平均で1崚たり6.5%下落しています。首都圏別で見てみますと、東京で5.2%、大阪で9.4%、名古屋で7.0%の下落となり大阪圏の下落率が一番大きくなっています。

都市圏別の標準宅地の平均路線価

◆全国    115千円   前年比 △5.0%
◆東京圏   257千円    〃  △2.7%
◆大阪圏   155千円    〃  △7.7%
◆名古屋圏   94千円    〃  △6.0%
◆地方圏     56千円    〃 △8.2%  


地方圏は3年連続で拡大し、大都市圏と地方の「二極化」の傾向はさらに強まっています。

ちなみに全国一の路線価額となったのは、19年連続で東京・銀座の鳩居堂前を含む銀座中央通りで、昨年より1.4%上昇しました。

続きを読む
Posted by funaizc at 2004年08月03日

財産評価基本通達の「基準年利率」が市場連動になりました


6月29日付け国税庁 資産課税課情報 第10号によると、これまで固定方式だった基準年利率の決定方式が市場連動方式に変更されています。

これまで、この基準年利率は、財産評価基本通達4−4−に定められており3.0%と固定されていました(金利情勢により適宜見直しされる(2002年から現在の3.0%))。

基準年利利率とは、同通達に基づく「財産の評価において適用する年利率」であり、これは、相続財産のうち、将来受け取るであろう金銭などを現在価値に割り戻すときなどに使用します。
 今回の改正で、3.0%から「長期」の場合1.5%に利率が引き下げられたことから、将来価格が同じである場合の現在価値は高く評価されることになります。

国税庁通達 基準年利率

Posted by funaizc at 2004年07月31日

★「財産評価基本通達の一部改正について」広大地の評価が大幅に変わりました。


適用地では、相続税の評価額が大幅に下がるので、当然相続税も下がりますが、本当の時価とはかなり違ってきますので、物納用地として考えていた土地は、注意が必要になってきます。

改正後の内容は、以下通りです。

 財産評価基本通達24-4 ≪広大地の評価≫より

その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法第4条((定義))第12項に規定する開発行為(以下本項において「開発行為」という。)を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの≪大規模工場用地≫に定める大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの(その宅地について、経済的に最も合理的であると認められる開発行為が中高層の集合住宅等を建築することを目的とするものであると認められるものをいう。)を除く。以下「広大地」という。)の価額は、原則として次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価する。

(1)その広大地が路線価地域に所在する場合
 その広大地の面する路線の路線価に、≪奥行価格補正≫から≪容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価≫までの定めに代わるものとして次の算式により求めた広大地補正率を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額


     広大地補正率 =0.6-0.05×(広大地の地積÷1,000屐


例えば、1,000屬療效呂両豺隋∧篝砧┐蓮0.6-0.05×1000/1000=0.55
なので、補正率は、0.55となりますので、評価額が大幅(55%)に下がることになります。

(2)その広大地が倍率地域に所在する場合
 その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額を≪路線価≫に定める路線価として、上記(1)に準じて計算した金額

注意
※1.本項本文に定める「公共公益的施設用地」とは、都市計画法第4条≪定義≫第14項に規定する道路、公園等の公共施設の用に供される土地及び都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第27条に掲げる教育施設、医療施設等の公益的施設の用に供される土地(その他これらに準ずる施設で、開発行為の許可を受けるために必要とされる施設の用に供される土地を含む。)をいうものとする。
※2.本項(1)の「その広大地の面する路線の路線価」は、その路線が2以上ある場合には、原則として、その広大地が面する路線の路線価のうち最も高いものとする。
※3.本項によって評価する広大地は、5,000m2以下の地積のものとする。したがって、広大地補正率は0.35が下限となることに留意する。
※4.本項(1)又は(2)により計算した価額が、その広大地を≪評価の方式≫から≪倍率 方式による評価≫までの定めにより評価した価額を上回る場合には、その広大地の価額は≪評価の方式≫から≪倍率 方式による評価≫までの定めによって評価することに留意する。

Posted by funaizc at 2004年07月15日



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