高田吉孝のブログ

航空機リース投資、「課税には法律上の根拠なし」名古屋地裁

航空機リース(レバレッジドリース)事業をめぐる課税処分に対する初の司法判断が名古屋地裁で下されていました(10月28日)。

そもそも航空機リース事業のスキームってどんなものかを簡単に説明しますと、
 任意組合や匿名組合契約により投資家がお金を出資して、同時に銀行借入も行い皆で航空機を購入し、購入した航空機を海外の航空会社等にリースしてリース料収入を得、リース終了後にその航空機を売却するという取引です。この取引をすると、リース期間の初めから7割くらいの期間、つまり7年リースであれば5年くらいまでは、航空機の減価償却費(航空機の購入価格を毎年一定額経費とすることができる額)と利息の合計額が、リース収入より多くなります。つまり、5年間は赤字になって、投資家が本業の所得で大きく黒字であれば、このリースによる赤字と相殺(損益通算)されて、当面税金を少なくする事ができ、リース期間の後半で黒字になって、リース終了後に航空機の売却して利益を得るというスキームです。

今年の3月頃に国税当局が、野村証券系のリース会社「野村バブコックアンドブラウン」が考案し全国の資産家に出資を勧誘した航空機リース事業について、国税当局は「課税逃れの商品」と認定(課税処分)したため、投資家の間では不安が広がっていましたが、このほどその課税処分(航空機リース事業の赤字を他の所得と合算して収入を圧縮したとして、総額約3億3000万円を追徴課税された愛知県の投資家6人の課税処分)の取り消しを求めた訴訟に対する初の司法判断が下されました。

名古屋地裁の加藤幸雄裁判長は、組合は民法上の組合に当たると判断するのが相当であり「契約は適法」とした。そのうえで、「税法上のメリットを選択することは何ら不当ではない」と指摘し、「事実認定の名の下に、法的根拠のない法律行為の否認を行うのと異ならない(「追徴課税する法的根拠がない」)とし、今回の判決では、事業性を訴えた納税者の主張が認められました。

名古屋国税局は当然、控訴する方向との事です。今後の展開に注目したいと思います。

相続税対策でもそうですが、「租税回避行為」に近い節税は、危険ですし、税法が変わると効果がなくなってしまいますので、節税を中心とした相続税対策にかたよらないようにしましょう。


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