高田吉孝のブログ
平成15年 住宅需要実態調査の結果(確報)について
平成15年 住宅需要実態調査の結果(確報)について
国土交通省は平成16年9月3日、「2003年住宅需要実態調査」の結果を発表しました。同調査は国民の住宅に関する満足度、最近の改善状況、今後の改善計画や住まい方の意向などの把握を目的に実施したものです。(有効回答は約8万7000世帯。調査実施は2003年12月1日)
住宅(借家)に対する評価(不満率)は、下記の通りで、前回(平成10年)調査より4.8ポイント減少しているものの、非常に不満と多少不満を合わせると52%と約半分の方がなんらかの不満を持っていることがわかります。
・非常に不満 …… 12.1%
・多少不満 ……… 39.9%
・まあ満足 ……… 38.1%
・満足 ……………… 8.1%
・不明 ……………… 1.8%
不満を感じている内容としては、以下の項目がありますが、持家に比べ(持家の不満率37.9%)借家が52.0%とやはり高くなっています。
・高齢者等への配慮
・住宅の防犯性
・省エネルギー対応
・地震、台風時の住宅の安全性
・収納スペース
・住宅の断熱性や気密性
・外部からの騒音などに対する遮音性
・住宅の傷みの少なさ
・火災時の避難の安全性
・住宅の維持や管理のしやすさ
・住宅の広さ、間取り
・居間など主たる居住室の採光
大家さんとしては、不満要因を低下させる事が入居率の向上にもつながることもありますので、このようなデータにも注意していく必要があると思います。
住宅タイプ別の不満率(調査結果原文より抜粋)
住宅タイプ別に住宅に対する不満率をみると、持・借別では持家で37.9%、借家で52.0%と借家で依然高くなっている。平成10 年調査では、住宅に対する不満率は持家で42.9%、借家で56.8%であり、不満率はそれぞれ5.0 ポイント、4.8 ポイント減少している。
持家の中では、「一戸建・長屋建」で38.2%、「共同住宅」で36.0%であり、平成10年調査(一戸建・長屋建:42.7%、共同住宅:44.5%)と比較すると、「一戸建・長屋建」の不満率が「共同住宅」より高くなっているのが特徴である。借家の中では、最も不満率が高いのは「民営賃貸住宅(一戸建・長屋建)」で61.2%、次いで「民営賃貸住宅(共同住宅・木造)」の56.9%、「公団・公社等の賃貸住宅」の53.9%、「都道府県・市区町村営賃貸住宅」の52.8%の順になっている。
住宅の各要素に対する不満率をみると、すべての項目について借家での不満率が持家の不満率を上回っている。持・借間の不満率の差は「外部からの騒音などに対する遮音性」が19.1 ポイントと最も大きく、次いで「換気性能」、「住宅の断熱性や気密性」、「住宅の広さ・間取り」、「火災時の避難の安全性」、「住宅のいたみの少なさ」、「冷暖房の費用負担などの省エネルギー対応」の順であり、これらの項目は全て持借の差が10 ポイントを超えている。これに対して、「住宅の維持や管理のしやすさ」、「居間など主たる居住室の採光」、「地震・台風時の住宅の安全性」では持借の差は小さい。
持家の中で、「一戸建・長屋建」と「共同住宅」を比較すると、「収納スペース」、「住宅の広さ・間取り」、「換気性能」、「外部からの騒音などに対する遮音性」といった要素については「共同住宅」の不満率が高くなっている。また「住宅の断熱性や気密性」、「地震・台風時の住宅の安全性」、「冷暖房の費用負担などの省エネルギー対応」については「一戸建・長屋建」での不満率が高くなっている。
借家の中では、「民営賃貸住宅(一戸建・長屋建)」では多くの項目で不満率が高くなっているのに対して、「民営賃貸住宅(共同住宅・非木造)」では多くの項目で不満率が低い。
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