高田吉孝のブログ
顕著化する住宅供給過剰問題
最近(9/22サンデー毎日、10/12週間朝日)不動産マーケティングのアトラクターズ・ラボ株式会社(東京都千代田区・代表取締役:沖有人)の分譲マンションの駅別需給バランス分析データをもとにした特集記事が週刊誌に掲載されました。
住宅が余っていることは、これまでにも何度かこのコーナーでも書いていますので、記事の内容については基本的には同じ考えですが、あまりの供給過剰の実態に改めて驚かされました。(週刊誌ですので、少しオーバーすぎるような点はありますが・・・)
品川駅が供給過剰1位となっており、東京湾岸エリアの供給過剰を“湾岸戦争”と呼び、一部に始まっている大幅値引きなども紹介されていますが、マンションの供給過剰問題は2005年問題と呼ばれ、これからが本番であり、湾岸エリアだけの問題ではないことは明白です。
人口は、平成18(2006)年にピークを迎え、以後長期の人口減少過程に入ると言われているものの、首都圏では人口流入により世帯数はまだ増え続けていますが、その多くは単身世帯であり、また少子高齢化が進むため、ファミリー世帯向けの住宅が余ってしまうことは間違いないと思われます。
そうなると、郊外や駅から遠いマンションほど資産価値の下落が顕著になるだけでなく、全般的に値下がりし、賃貸住宅の需要が減少→空室の増加→家賃の低下 という流れになる可能性が高いのではないでしょうか?
かと言って、すべての賃貸住宅経営を悲観している訳ではありません。賃貸住宅経営は立派なビジネスとして成り立っていますし、相続対策としても有効な場合も多くあります。ただこれからは、他の商売などと同様にサービス業としてとらえ、時代の流れを読み、入居者の満足度を高めていくなどの努力をしていかなければならないでしょう。是非、一緒に勉強して勝ち組大家さんになりましょう。
データ元のアトラクターズラボのプレス発表資料によると
・2004年8月1日時点で最もマンション供給が需要に対して過剰に
なっている駅は山手線品川駅でり、7月時から2ヶ月連続でトッ
プとなった。
・日本最大規模タワーマンションの供給開始が影響しており、
品川駅エリアの供給過剰状態はしばらく継続する可能性が高い。
・8月時点で新たに10位以内にランクインしたのが豊洲駅、千葉駅
大井町駅の3駅。
・豊洲駅は大型物件の供給本格化により一気に順位を上げた。
同駅において供給されている物件の販売競争は今後一層激化す
ると考えられる。
・一方、半年前の2004年2月時から続けて10位以内にランキングさ
れているのは品川駅、大森駅、大船駅の3駅。
・いずれも大型物件が複数供給された結果、供給過剰状態が長く続
いている。
2004年8月時点の供給過剰駅ランキング
順位 路線 駅名 供給過剰戸数
1位 山手線 品川 1194
2位 東海道本線 川崎 949
3位 京浜東北線 大森 759
4位 埼京線 戸田公園 716
5位 東西線 南砂町 677
6位 有楽町線 豊州 607
7位 東海道本線 大船 607
8位 大江戸線 西新宿五丁目 548
9位 総武線 千葉 527
10位 京浜東北線 大井町 485
となっています。
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