高田氏 土地オーナーによる賃貸住宅建設についてはこの20年で2割も家賃が下がっているエリアもある。これ以上家賃が下がるとまずいオーナーは多い。賃貸住宅建設の問題点は人口と資金計画。東京都でも20年以降は人口減に向かう。また20年後には入居者の中心であった20〜49歳が大幅に減る。サブリースは更新の際に家賃の下落を受け入れざるを得ない。家賃下落を前提に収支計画を立てて、自己資金をしっかりと入れて建設すべき。賃貸住宅の建築に当たっては借入れが当たり前のようになっているが、土地を一部売ってでも自己資金を作った方がいい。今後20年で家賃は30%ほど下がる可能性がある。
―― いい相続税対策とは何か。
高田氏 相続税を過剰に怖がるべきではない。財産の規模や、家業などの自分を取り巻く環境をしっかりと把握する必要がある。そこを把握すれば適切でバランスが取れた対策はみえてくる。また、誰のための相続税対策なのかを資産家は考える必要がある。例えば長男への家督引継ぎもある家庭もあれば、そういうことを考えないで済む一般家庭もあり、そういった事情の違いも出てくる。規模にかかわらず共通する項目としては、遺産分割。そして納税資金対策から入ること。今は「節税」というキーワードが独り歩きし、過剰な節税対策ばかりが過熱している。相続税をゼロにしたいという人もいる。賃貸住宅の建設などでどんどん借入れを行えば一時的にできなくはないが、過剰な節税対策は無理が生じる。分割を視野に入れ、不動産を適切に組み込み、保険など金融資産も採り入れていくこと。課税価格が1億円程度の一般家庭であれば生命保険の非課税枠の利用や生前贈与、小規模宅地の特例などを活用すればいい。欲をかきずるのは失敗につながる。資産を守る意識は大事だが、そもそも税制は資産が減るように設定されている。やりすぎの筆頭は借金。賃貸住宅の建設は半分は自己資金を入れるべきだ。土地オーナーが長男に土地を全て相続させたいというケースが多く、そのために対策を立てようとするが、全部を守ろうとするのはなかなか厳しい。