高田吉孝のブログ

都心部に自宅(一戸建て)を所有していると(現金が少ない場合)家を売却しないと相続税を払えないはウソ!

正確に言うと、都心部に自宅(1戸建て)を所有していると(現金が少ない場合)、事前に対策をしておかないと家を売却しないと相続税が払えない場合がある。と言う事です。

ある意味全くウソではないが、最近の新聞や雑誌の取り上げ方は、かなりオーバーであると感じています。

 某税理士法人さんが、マスコミに情報提供している、駅ごとに(一戸建て+平均的な財産で)試算した相続税額がベースになっているのだろうが、あの試算は、二次相続の場合で最も相続税額が高くなる試算であり、記事にする側がその辺の説明を十分にしていない(記事の文字数の都合もあるだろうが・・・)為、非常に違和感を覚えます。

少し具体例で、説明すると

例えば、〇〇新聞では、朝刊で『相続に関する知識』の連載を行っており、以前“相続試算“と言うことで、やはり『土地だけで対応なら 都心では半分売却も』と言う見出しで、

・飯田橋(路線価は96万円(1坪だと317万円))に一軒家所有「土地157.68平方メートル(50坪弱)
      ※土地の相続税評価額=96万円×157.68屐1億5137万円
・2076万円強の預金、その他資産197万円強所有
      
・相続財産の相続税評価額合計=1億5137万円+2076万円+197万円=1億7410万円

子供2人で相続する(二次相続)モデルの試算として、

来年以降の相続税額は2,563万円となり、相続する金融資産だけでは相続税をまかなえず、不足する487万円の資金を、相続する実家の土地の一部を売却したりしてつくる必要が出てくる。と紹介しています。

★この事例の場合、

一次相続で、母親が全ての財産(相続税評価額1億7410万円)を相続し、小規模宅地等の特例を適用(課税価格5300万円(内、自宅の土地の評価は、151,372,800円×0.2=30,274,560円)する。

 一次相続税では、小規模宅地等の特例を適用できるので、課税価格は5,300万円となりますが、配偶者の税額の軽減(課税価格1億6000万円までは非課税)がありますので、相続税は0円となり、二次相続でその全ての財産(相続税評価額1億7410万円)が子供達が相続する前提での計算になっています。

二次相続時は、小規模宅地等の特例を適用しない前提となっていますので、相続税の額が2,563万円となってしまいます。

しかし、仮に二次相続で、小規模宅地等の特例を適用すれば、110万円で済みます。

子供2人での遺産分割の問題は残りますが、通常はこの特例をまず使おうと考えるでしょう。

2,563万円 と 110万円 です。その差額は、2,453円です。

 もし、遺産分割の問題で二次相続時に小規模宅地等の特例が使えないと言うのであれば、結果として自宅を売却して現金で分けるにしても、相続税が110万円で済むように、小規模宅地等の特例を適用できるような対策を行うべきでしょう。

 一般的に、二次相続時に相続する人が同居していないと小規模宅地等の特例が利用できないと思っている方が多いですが、特定居住用宅地等の要件には、

“被相続人と同居していた親族(同居要件)”「相続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人」だけではなく、“被相続人と同居していない親族”俗に言う、『家なき子の要件』の要件もありますので、同居していないとい理由だけで小規模宅地等の特例が使えないと考えるのは、早計です。

次回は、その辺をもう少し詳しく解説したいと思います。




相続の基礎知識
 -相続とは
 -相続の手続きと流れ
 -相続財産とは
 -法定相続とは
 -法定相続分の計算方法
 -遺産の取得と放棄

相続税の基礎知識
 -相続税とは
 -みなし相続税とは
 -相続税の計算方法
 -相続税の申告
 -延納と物納

財産評価の基礎知識
 -財産の種類と評価
 -宅地の評価
 -住宅の評価
 -特殊な不動産の評価
 -農地の評価

遺産分割の基礎知識
 -遺産分割
 -遺言による遺産分割
 -協議による遺産分割
 -調停及び審判
 -特別受益と寄与分

遺言の基礎知識
 -遺言の必要性
 -遺言について
 -遺言書の種類と内容
 -その他の遺言知識

相続対策三原則
 -相続税対策
 -納税資金対策
 -争族対策

 -事後対策について

相続対策の手法
 -法人の設立
 -自社株式の対策
 -生命保険の相続対策
 -養子縁組の対策

生前贈与による対策
 -基礎控除の利用
 -配偶者控除の利用
 -住宅取得資金の贈与
 -生命保険料を贈与する
 -相続時精算課税の対策

不動産の相続対策
 -土地の有効活用
 -アパートマンション経営
 -その他の有効活用
 -事業用資産の買換特例
 -低収益物件の再生
 -貸宅地の整理
掲載されている情報は、執筆時の法令と一般的な事例に基づいており、法改正等に対応できていない場合や、具体的な事案にはあてはまらない場合があります。当サイトの情報を下に行った行為については、当サイトの管理者(高田吉孝)及び(株)青山財産ネットワークスは一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
Copyright2004 y.takada. 参考文献一覧
記事・写真などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。