高田吉孝のブログ

事業用資産の買い換え特例にどこまでこだわるべきか・・・・vol.2

 前回に続き、今週も事業用資産の買い換え特例の関係のお話です。


平成24年度の税制改正により、買換え資産の土地等の範囲に面積が300屐複坑亜ィ沓議據飽幣紊箸い条件が追加されましたので、相続対策の為に土地(駐車場、畑)などを売って、都心部の収益不動産購入する、いわゆる『不動産の組み換え』には使い勝手が悪くなりました。理由は、都心部(路線価の高いエリア)で土地が90坪以上の収益不動産となると物件価格がかなりの額となってしまうからです。

 事業用資産の買い換え特例は時限立法です(現在は平成26年12月31日の譲渡まで)。時限立法とは言うものの、これまでは毎回延長となりました。いつも今回は延長されないのでは?などとうわさされながら延長され続けてきました。平成24年度の改正の時も「今度こそ延長されない」のではといううわさを聞きました。結果は、300岼幣紊噺世条件が付き(9号買い換え)延長となりました。

 今回も延長しない(終了となる)のではないかとの説もあります?がさて、どうなるでしょう?


 『年内で買い替え特例が終わる可能性が高いので、年内に売却しましょう』
と、土地等の売却(不動産の組み換え)を勧めるセールストークにも要注意です。

 と言う事で、事業用資産の買い換え特例のメリットとデメリットについて、具体例を交えながら説明していきたいと思います。

 話と計算を簡単にする為に、まずは5億円の土地を売却して5億円の収益物件(土地2.5億円、建物2.5億円)を購入した場合の例で説明します。

 ※土地の取得費は5%、譲渡経費は2000万円とします
 ※復興特別所得税は考慮しない


 最大のメリットは、80%について課税が繰り延べされますので、上記の例の場合、土地を売却した時点では、譲渡税は4%(譲渡税20%の内80%(16%)が繰り延べられるので)支払うだけで済みます。


 ○買い換えを使った場合の譲渡税は、   1,820万円

 ●買い換えを使わなかった場合の譲渡税は、9,100万円



                その差は、7,280万円 となります。

 

これが最大のメリットであるのは言うまでもありません。

事業用資産の買い換え特例の計算式
事業用資産の買い換え特例


 反対にデメリットは、建物の減価償却対象額が少なくなり経費が減り、結果として所得税(個人の場合)が高くなる事です。


 買い換えた収益物件は、80%(4億円)分は、売却した土地の取得費(5%、2000万円)を引き継ぎますので、収益物件の取得費(譲渡費用他諸費用を除いて計算)は、1億2000万円(80%部分の2000万円+20%の部分の1億円)となり、土地・建物が1/2の割合であれば、建物の減価償却対象額は6000万円となります。

 ○買い替えを使った場合の建物の減価償却額は、 6,000万円

 ●使わなかった場合の建物の減価償却額は、 2億5,000万円

                 その差は、1億9,000万円 となり

減価償却費(経費)が1億9000万円増える訳ですから、減少する税金は

所得税・住民税合計が仮に40%として計算すると、7,600万円 となります。

 所得税率にもよりますが、簡単に言うと、譲渡税を一括で払うか、所得税として数年に分けて払うかの違いのようなものですが、この例では一括(譲渡税)の場合20%の税負担、数年に分けて払う(所得税・住民税)の場合40%で計算していますので、単純に比較すれば一括(譲渡税20%)の方が税負担が少なくなる事になります。


 ここまで説明して、やっと本題の“「事業用資産の買い換え特例」にどこまでこだわるべきか“に入っていけます。

  つづく




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