高田吉孝のブログ

今更ですが、平成26年度の税制改正について

平成26年度の税制改正は、今年の4月に消費税を8%に引き上げた後の経済対策を税制面から支援する

「民間投資活性化等のための税制改正大綱(昨年10月1日に決定した秋の大綱)」と、12月12日決定した「平成26年度税制改正大綱」の2つの大綱により実施が予定されています。

今更ですが、新聞などではあまり取り上げられていなかった項目も含め資産税・法人税関係を中心に気になる改正点をピックアップしました。 
 

相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(相続税の取得費加算)の見直し

相続財産の譲渡に係る取得費加算額について、相続した全ての土地等に対応する相続税相当額から、 その譲渡した土地等のみに対応する相続税相当額に改正。 
(平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産の譲渡から適用)
 

[解説] 相続した財産を相続開始から3年10ヶ月以内に売却した場合に、その相続した財産について納めた相続税を譲渡資産の取得費に加算できる制度です。現行税制では、土地については、売却した土地について納めた相続税だけでなく、他の売却しない土地にかかった相続税も売却した土地の取得費に加算できますが、改正後は、実際に売却した土地について納めた相続税しか取得費に加算できない為、譲渡税負担が多くなります。
 

特定住居用財産の買換えの特例の延長

特定の住居用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、譲渡資産の譲渡対価に係る要件を1億円(現行1.5億円)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。
(平成26年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用)

 

給与所得控除の上限引き下げ  (平成28年分以降より)

 

現行(平成25年分)

平成28年分

平成29年分以降

上限額適用給与収入

,500万円超

,200万円超

,000万円超

給与所得控除上限

245万円

230万円

220万円


[
解説] 現行への改正(平成24年分までの給与所得控除額は、1,000万円超については収入金額×5%+170万円)に続く改正となり、給与所得が1,000万円超の方は増税になります。

ゴルフ会員権等譲渡損失の損益通算の廃止  (平成26年4月1日以後の譲渡から適用)

譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要ではない資産の範囲に主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権・リゾート会員権等)を追記する。
 

  [解説] 現行の税制では、個人がゴルフ会員権等を譲渡して損失が出た場合、確定申告することにより、給与所得など他の所得と通算し、税金を取り戻すことができますが改正後は損益通算ができなくなりますので、利用していないゴルフ会員権等で、含み損があるもの(譲渡損失が出るもの)は平成26年3月31日までに譲渡することをお勧めします。
 

  消費税の簡易課税みなし仕入率の見直し

会計検査院から実際の課税仕入率とのかい離が大きい業種があるとの指摘を受けたことを踏まえ、以下の業種のみなし仕入率を変更・追加する。
 

 

現行

改正後

金融業及び保険業

第四種事業(その他の事業) 60%

第五種事業(サービス業等) 50%

不動産業

第五種事業(サービス業等) 50%

第六種事業(不動産業)    40%   

    (平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用) 

[解説] 金融業、保険業、不動産業はみなし仕入率が10%下がりますので、簡易課税制度を選択している限りは、同じ売上でも消費税の納税額が増えます。
 

上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例等の対象となる特定公社債の範囲の見直し 
(平成28年1月1日以後に支払いを受ける利子)
 

同族会社が平成27年12月31日以前に発行した社債の利子は20%源泉分離課税(所得税15%、住民税5%)対象から除外する。(⇒総合課税となる)
 

[解説] 平成25年度の税制改正大綱において「同族会社が発行した社債の利子でその同族会社の役員等が支払を受けるもの(少人数私募債)」は総合課税の対象となる事となりましたが、適用開始前(平成27年12月31日)までに発行されたものについては従来通り20%源泉分離課税とされていました。しかし、今回の改正により、既に発行されているものも含め、平成28年分以降の利子についてはすべて総合課税の対象となりました。
 

復興特別法人税の1年前倒し廃止  
(指定期間の終了が平成26年3月31日に1年短縮)
 

法人の平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間に開始する事業年度を対象に課税される復興特別法人税が1年前倒しで廃止。※一方、個人に係る復興特別所得税(平成25年から平成49年までの各年分の基準所得税額に対して2.1%)は25年間継続です。
 

生産性向上設備投資促進税制の創設
(産業競争力強化法施行日から平成29年3月31日までの間の取得)

 

一定の生産性向上設備等について、50%特別償却(建物及び構築物は25%)と取得価額の4%(同2%)の税額控除(上限法人税額の20%)との選択適用、強化法施行日から平成28年3月31日までの取得については、普通償却限度額との合計で100%特別償却と取得価額の5%(建物及び構築物は3%)税額控除との選択適用。

 

中小企業投資促進税制の拡充 
(産業競争力強化法施行日から平成29年3月31日までの間の取得)

中小企業者等の特定機械装置等の取得について、普通償却限度額との合計で100%特別償却と取得価額の7%の税額控除(特定中小企業者は10%)との選択適用。税額控除の控除限度超過額は1年繰越し可能。





相続の基礎知識
 -相続とは
 -相続の手続きと流れ
 -相続財産とは
 -法定相続とは
 -法定相続分の計算方法
 -遺産の取得と放棄

相続税の基礎知識
 -相続税とは
 -みなし相続税とは
 -相続税の計算方法
 -相続税の申告
 -延納と物納

財産評価の基礎知識
 -財産の種類と評価
 -宅地の評価
 -住宅の評価
 -特殊な不動産の評価
 -農地の評価

遺産分割の基礎知識
 -遺産分割
 -遺言による遺産分割
 -協議による遺産分割
 -調停及び審判
 -特別受益と寄与分

遺言の基礎知識
 -遺言の必要性
 -遺言について
 -遺言書の種類と内容
 -その他の遺言知識

相続対策三原則
 -相続税対策
 -納税資金対策
 -争族対策

 -事後対策について

相続対策の手法
 -法人の設立
 -自社株式の対策
 -生命保険の相続対策
 -養子縁組の対策

生前贈与による対策
 -基礎控除の利用
 -配偶者控除の利用
 -住宅取得資金の贈与
 -生命保険料を贈与する
 -相続時精算課税の対策

不動産の相続対策
 -土地の有効活用
 -アパートマンション経営
 -その他の有効活用
 -事業用資産の買換特例
 -低収益物件の再生
 -貸宅地の整理
掲載されている情報は、執筆時の法令と一般的な事例に基づいており、法改正等に対応できていない場合や、具体的な事案にはあてはまらない場合があります。当サイトの情報を下に行った行為については、当サイトの管理者(高田吉孝)及び(株)青山財産ネットワークスは一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
Copyright2004 y.takada. 参考文献一覧
記事・写真などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。