高田吉孝のブログ

第7回 不動産を使った相続対策の注意点「東京五輪開催決定で都心の収益不動産価格が更に上昇!」(特定NPO法人の「日本住宅性能検査協会」のコラムへの連載文より)

 前回までは、土地の有効活用を中心に不動産を使った相続対策の注意点について書いてきました。今回からは、相続税対策で用いられる“収益不動産の購入”にまつわる内容を書いていきます。

 現在、簡単?に相続税を大きく下げる事ができるものは不動産しかないと言っても過言ではありません。代表的な借入によるアパート・マンションの建築もその手法の1つです。しかし最近は、空室の増加や家賃の下落により東京でも郊外、特に交通の便の不便な地域ほど賃貸経営も難しくなってきました。

 そんな中、根強い人気となっているのが都心部の収益不動産(1棟物の賃貸マンションや事務所ビル)です。

 都心部の収益不動産は、純粋に将来的にも安定した収益が見込める投資先(純粋な不動産投資)としての人気に加え、相続税が大きく下げられるメリットも有り優良な物件が慢性的な不足状態となっています。

 ここ10年くらいの東京の収益不動産価格の推移を見てみると、2007年に不動産ミニバブルのピークが有り、リーマンショック(2008年9月15日)後の約半年間(2009年3月)くらいまでが大底で、その後は堅調な需要に支えられ優良な収益物件の利回りは徐々に下がり続けています。

※グラフは、国土交通省が19日発表した2013年7月1日時点の基準地価の推移(参考まで)

2013基準地価推移

一時は、金融円滑化法の期限(2013年3月末)が切れると不良債権処理が始まるので売り物件が増えるとの見方もありましたが、金融庁から『金融機関の役割』として、「金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきということは、円滑化法の期限到来後においても何ら変わりません。」との方針が発表された事も有り、ほとんど金融円滑化法終了の影響は出ませんでした。

 その後、44日に日銀、黒田新総裁による超金融緩和政策の発表も有り、アベノミクスへの期待感に拍車がかかり、不動産市況にとって強い追い風となりました。そして記憶にも新しいですが9月8日(日本時間)に東京での五輪開催が決定した事も更に東京都心部の不動産価格上昇(注※但し2020年前まで)につながると思います。


 さて、話を元に戻しまして、そもそもなぜ?相続税対策に都心部の収益不動産が有効なのかと言いますと、時価(不動産価格)に対して相続税評価額が低く、更に相続税法上の特例である『小規模宅地等の特例(相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例)』により、200屬泙任療效呂砲弔い討蓮50%の評価となる為、一般的に時価(不動産価格)に対して、相続税評価額は約三分の一(場合によっては四分の一)程度になると言われています(実際その通りです)。

 その仕組みを図(概略例)を使って解説しますと

小規模宅地の評価減

 まず、現金7億円で都心部の収益不動産(建物価格2億円、土地(200屐鵬然複飢円)1棟を購入した場合の相続税評価額ですが、
 

前提条件


建物については時価の2億円が、図にあるように相続税評価額は、固定資産税評価となり約50%から60%となり更に貸家の評価で70%となる為、8400万円となります。

土地については時価=公示価格として、時価の5億円が路線価評価で80%となり、更に貸家建付地評価でその82%(一般的な借地権割合60%地域の場合)となり、土地時価5億円が相続税評価額で、3億2800万円となります。

そして、最後に小規模宅地等の評価減(被相続人等の貸付事業用の宅地等の評価減)で50%となり、最終的に1億6400万円の評価額となり、相続税評価額の建物と土地の合計額は、2億4800万円(8400万円(建物)+1億6400万円(土地)=2億4800万円)となります。

現金の評価額7億円(現金の相続税評価は7億円のまま)が2億4800万円と約三分の一となり、評価減(マイナス)額は4億5200万円となります。

実際には、購入諸経費負担等や土地の不整形による減額、時価と公示価格の乖離(都心部では時価と公示価格の乖離が大きい所が多い)、によりもっと多くの評価減が取れます(公示価格が時価に追いつかない為、不動産価格が上昇するほど評価減は大きくなります)。

相続税の計算をする上では、自宅の評価減(現行240屬泙80%減)が使えなくなりますので、単純に上記評価減額(4億5200万円)が全て減額とはなりませんが、一般的には自宅の土地の評価額の方が安いのでその効果は絶大です。

図の事例のように、自宅の敷地の路線価を20万円/屬箸靴疹豺隋⊆宅での小規模宅地の評価減は3800万円しかとれませんので、実際に相続税評価が下がるのは4億1400万円(4億5200万円−3800万円)となります。

なので、相続税率が50%の方の場合、評価減額の50%の相続税が安くなる事になりますのでこの事例では、7億円の収益不動産を購入する事により相続税が、なんと2億700万円も相続税が安く(節税できる事)なります。


 現金で購入しても借入で購入しても、当然評価減の効果は変わりませんが、いくら相続税が大幅になるからと言って、購入後の不動産収支がマイナスでは後々大変な事になってしまいます。借入による相続税対策の注意点はこれまでも書いてきました。


 次回は、都心収益不動産による相続税対策の注意点について詳しく書いていきたいと思います。





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