19日に国交省が2013年7月1日時点の基準地価を発表しました。新聞各紙の見出しは、『三大都市圏で5年ぶり上昇(日経)』『3大都市圏の商業地、5年ぶり上昇(読売)』『下落幅縮小
平均1.9%、3大都市圏では上昇(毎日)』と、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)で5年ぶりに地価が上昇となった事を大きく報じています。
三大都市圏でも、特に商業地での上昇が目立っています。
東京は今年の基準地価の最高地点となった「明治屋銀座ビル」がある銀座2丁目が3.6%上昇。
大阪は型複合施設「グランフロント大阪」4月に開業するなどJR大阪駅周辺の再開発が進み大阪市北区梅田1丁目では7%上昇。
名古屋は15年末までに3棟の超高層ビルが完成する名古屋駅前が活況で、名古屋市中村区が4.2%と大きく上昇しています。
名古屋圏では、高級マンションの販売が好調で高級住宅地も地価が上昇しており住宅地全体でも0.7上昇となり、商業地と同じ上昇率となっていますが、個人的には、本来住宅地と商業地では価格の動きは異なると考えています。
今回の基準地価の数値だけを動きを見ると、確かに大都市圏を中心に地価が底入れしたように見えますが、実際には前出のように大幅に上昇した人気エリア他限られた上昇地点がその他多くの横ばいまたは下落地点の下落率を打ち消しています。
ただ足元の住宅需要の強さや、アベノミクスによる追加経済対策、東京五輪効果によって、郊外の住宅地の多くでも地価は下げ止まり緩やかに上昇していく可能性があります。三大都市圏(特に東京圏)では来年の公示地価や基準地価は住宅地でもプラスとなる事は間違いないと思います。
ただ注意しなければならないのは、東京でも7年後には総人口のピークを越え人口の減少が始まります。今回の基準地価でも人口が減少している地方圏は下落が止まりません。大きく人口が減少している所ではマイナス10%となっている地点もあります。
価格と言うものは需要と供給で決定する事は言うまでもありません。不動産も例外ではありませんが、その昔の『土地神話(不動産の価格は必ず値上がりするという神話のような事態)』の影響か、景気が良くなれば土地も上がると考えている人も少なくはありません。確かに不動産価格にもサイクルが有り、短期的には景気変動にも影響を受けます。
がしかし、とどのつまりは、土地価格も需要と供給で決まります。土地の需要は、大きく『住みたい需要(住宅地としての人気)』と『収益的需要(そこでどれだけ収益が上げられるか)』の2つです。
少し長くなりそうなので、続きは来週にします。