PART1 もうけ話の甘い罠
PART2 暮らしの落とし穴
PART3 老後のカネの守り方
の3部構成で、個人金融資産の6割を握る高齢者世代の巨大な資産を狙って、さまざまな商売や詐欺のやからが群がる実態の最新事情と対策について特集が組まれていました。
悪質な詐欺的なものは一部だとは思いますが、巨大な市場(高齢者のお金)をさまざまな業者(セールス)が狙っているのは、いつの世も変わりませんので、本当に注意が必要です。
その特集の中で、私は、最近またブーム?となっているワンルームマンション投資についての取材を受け、p38〜p39にマンション・アパート投資「ワンルームマンション活況も落とし穴が多い不動産投資」としてその内容が掲載されています。
そして先週、このダイヤモンドを読まれた方(一般読者のAさん)が私の会社に相談に来られました。
相続税が増税になることを心配され、ご自身の相続税の対策と資産運用として、ワンルームマンション投資を検討し、ワンルームマンション業者から具体的に購入を勧められていたが、家賃下落や維持費の負担が心配で、色んなところに相談したが、的を射た見解が得られず悩んでいたところに、ダイヤモンドの本記事を見て、ホームページで当社の事を調べて電話をいただいたとの事。
偶然にも、記事でシミュレーションした物件と同じくらいの金額で、もう少し借り入れが多い資金計画でした。
物件の資料もご持参されたので、拝見しましたが、私が記事の事例で採用した物件よりも条件は良くありませんでした。
不動産の質を論じる前に、結論は“相続税対策でマンション投資をする必要はない”と言う事で納得されました。
ご自身の相続税がいくらくらいかかるか正確にご存じですか?と、尋ねたところ、“知らないが、基礎控除が下がるので、結構かかると思っている”との事だったので、弊社の税制改正パンフレットの表をお見せし、課税資産が1億円の方で、一次相続税額が、現状の100万円から平成27年以降315万円になる事を説明させていただいたところ、予想外だった(本人はもっと多額の相続税と思っていた)ようです。
この方に限らず、今回の相続税の増税改正を受け、過剰に心配されている方は大勢います。先週は、この方以外にも自宅と100坪程度の駐車場をお持ちの方(Bさん)が、やはり1千万円以上の相続税がかかるのではないかと心配されていたので、試算したところやはり全然心配ない事がわかり安心された事例もありました。
巷では、増税をテーマにしたセミナーが大流行ですが、業者(営業サイド)の言う事をそのまま鵜呑みにしてはいけません。彼らは自社の商品を売るのが目的です。
話は戻って、週刊ダイヤモンドを見て相談に来られたAさんは、実際の相続税額を知って、リスクをおかしてまで無理してマンション投資をする必要がない事を理解されましたが、誰にも「儲けたい、節税したい」と言う欲があります。そんな心の隙(欲)を彼ら(営業サイドの業者)は狙っています。
まさしく、週刊ダイヤモンド7月13日号“狙われる「老後のカネ」”の通りです。