高田吉孝のブログ

空き家、ケア付き賃貸に 政府検討(日経8/18朝刊記事)に思うこと・・・

日経新聞によると、政府は高齢者向け賃貸住宅の整備を急ぐとの事。要旨は以下の通り。

低所得層を対象に、空き家を転用して比較的割安なケア付き賃貸住宅を提供できるように支援する。

中・高所得層がつかう福祉施設や住宅とあわせ、約10年で100万戸超を確保する。

特別養護老人ホーム(特養)などの施設は用地や財源の制約からたくさん増やすのは難しく、ケア付き住宅で将来の介護需要に備える。

低所得高齢者向けの新たなケア付き賃貸住宅は、特定非営利活動法人(NPO法人)や社会福祉法な人などが事業主体となる。2014年度にも整備を始め、今後10年間で40万人分の受け皿づくりをめざす。

〜 中略 〜

モデルは、NPO法人「自立支援センターふるさとの会」が都内でつくっている高齢者向け共同住宅「自立援助ホーム」。食事や清掃、見守りなどの生活支援もつく。月間で計十数万円の勤労収入や年金、生活保護費の枠内で利用できる。

企業による経営も多い有料老人ホームは、費用が高めで低所得者は入居しにくい。

11年度から始めた「サービス付き高齢者向け住宅」は主に中所得者を想定している。

今回のケア付き賃貸住宅は低所得者が利用できるうえ、「サービス付き高齢者向け住宅」と同じように必要に応じ介護サービスを申し込めるのが特徴。

介護給付費は25年度に11年度の2.6倍の約20兆円となりそうだ。ただ、65歳以上の高齢者世帯で借家は3割の約400万、75歳以上に限っても約170万いるため、ケア付き賃貸住宅に住み替えるニーズは小さくない。

空き家を利用した比較的安価な『ケア付き賃貸住宅』を今後10年間で40万戸、現在拡充を進めている「サービス付き高齢者向け住宅」60万戸と合わせ100万戸超を確保する計画なのでしょうか?

私は、セミナーやブログなどで、『サービス付き高齢者向け住宅』の有効活用に対して否定的な見解を繰り返していますが、それはあくまで、建物を建築する方に“土地の有効活用で失敗しない為”に、『サービス付き高齢者向け住宅活用の注意点』を(内容によってはやめた方がいいと)アドバイスするためです。

『サービス付き高齢者向け住宅』の有効活用の提案にはあまりにもリスクの高いものが多い為、“やめた方が良い”とも言っています。それは、あくまでも建築する方(主に地主さん)の立場での話です。詳しくはブログ参照下さい。


 確かに、高齢者が安心して暮らせる住まいが確保される事は良い事だと思いますので、安心して暮らせる住まいの確保を否定するつもりは全くありませんと言うか、それ自体は良い事だと思います。


特に、今回の空き家を利用したケア付き賃貸は、今後も人口は減少し、空き家は増加していくので、高齢者が安心して暮らしていける在宅介護の仕組みが出来れば、空き家も有効利用できるので、貸す方にとっても借りる方にとっても良いのではないでしょうか。


 少し気になったのが、そうなるとますます「サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)」の位置づけが難しくなるのではと思いました。(あとモデルとなっているNPO法人「自立支援センターふるさとの会」が都内でつくっている高齢者向け共同住宅「自立援助ホーム」と同レベルのものを40万戸整備するのは難しいのではないかと思うので、あくまでもモデルのような気がします・・・)

本来、サ高住は、有料老人ホームと特養の間の需要を狙って整備が進められていますが、今回のケア付き賃貸の整備が進むと、サービスの充実ができない(入居者満足の低い)サ高住は、ますます低価格競争が激しくなるでしょう。

老人ホームとサ高住の違い+ケア付き賃貸




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