自民党は20日、参院選公約を発表しました。衆院選に続いて経済再生を前面に打ち出し「思い切った投資減税と法人税の大胆な引き下げを実行」することを明記しました。
アベノミクスへの期待感と日銀の異次元緩和の導入により、一時(5/23の高値(ザラ場)15,942円)は16,000円近くまで急上昇した日経平均も、現在は調整局面で13,000円前後となっています。6月5日の成長戦略第3弾の不発で更に株価が下がり、ドル円も下落(円高)した時も、そして今も、株高・円安を期待する個人投資家は、「参院選勝利と消費税増税を実現したい政府は、きっと何かやってくれるはずだ」と思っている(願っている)に違いありません。20日の参院選公約だけではインパクト不足です。
さて、話を本題に戻しまして、自民党の参院選公約と相続対策の関係について思うことですが、当然直接的には関係ありませんが、「法人税の大胆な引き下げの実行」が資産家の相続対策において重要かつ必須である『法人の活用』に大きく関係します。
私たち(青山財産ネットワークス(旧船井財産コンサルタンツ)は、創業時から、収入UPと法人活用による節税を相続対策の中心に据えたコンサルティング(イチマルコンサル)を展開し、私も法人活用をテーマにしたセミナーを数多く開催してきました。
昨年の法人税減税(平成24年4月1日以後開始事業年度から)実施と、今年の税制改正(平成27年1月1日から実施)による所得税の最高税率の引き上げによる増税決定により、個人の所得税(住民税合わせると最高税率55%)と法人税(復興増税3年間経過後の平成27年4月1日以後の地方税を合わせた法人実効税率は大法人で35.6%、中小法人の年800万円以下の所得に対しては23.2%)の差は以前にも増して大きくなりました。
最近では、法人活用について書かれた本も多く発行されていますが、まだまだ本当に法人を徹底的に活用できている方は少ないと思います。ましてや相続対策まで含め総合的に実行されている方は更に少ないでしょう。
結論から言うと、収入が高く所得税率が高い場合は、法人を活用しない理由はないと思います。税制の方向性(個人は増税、法人は減税)からも疑う余地はありません。しいて気になるとすれば、現時点では心配する必要はないと思いますが、過去にあった『同族会社に対する留保金課税』です。
留保金課税制度は、平成12年〜平成22年にかけて改正が重ねられています(特に平成18・19年改正が大きなものでした)。現行法(平成25年)では、期末資本金の額が1億円以下の会社(※)については適用がないこととなっております。
※留保金課税制度については、kiyusama31さんのブログ『税務・会計本の感想文』に過去の経緯も含めわかりやすく解説されています。
つづく(次回に『相続対策』における『法人活用』についてもう少し書きたいと思います)