高田吉孝のブログ

急増する空き家、利益を生まずに資産と呼べるか(納税通信6/17号記事)を見て思ったこと・・・

今日は、少しとりとめもない事を書いて見ます。

『納税通信』(エヌピー通信社発行)の第3275(2013年6月17日)号のトップ記事の見出しが、
   ”急増する空き家” 〜利益を生まずに資産とよべるか〜 となっていたので、私もセミナーで同様の事を言っていることもあり、共感し読んでみたら少し疑問?に思えた箇所がありました。

 記事の大筋は、間違っていませんし、今の実態を表している良い記事だと思います。

 疑問に思った点と言うのは、「子どもらに生きた財産を残す」という関連事例の部分で、事例は、横浜市にある廃屋付きの土地を長年にわたり持て余しているAさんは、木造2階建て(8戸)の30年一括借り上げの賃貸住宅の提案に対しては、解体費をかけて土地を整備し30年返済(借入金)で建築する事は、「これが本当に”資産”と呼べるのだろうか」と疑問を持ち、実行しなかったが、現在60歳のAさんは、自分の寿命より法定耐用年数47年の鉄筋コンクリート(RC)の賃貸アパートなら子どもらに資産として残せると考え、建築したと言うところです。

 文面から推察するところ、小規模な建物だと思われます。木造のアパートは耐用年数が短くてダメだが、鉄筋コンクリート(RC)なら耐用年数が長く自分の寿命より長いから資産になるとの解釈になりますが、さて、本当にそうでしょうか?

 仮に、この土地が立地条件が良く、家賃も高く取れるところで、なおかつ建築費も半分以上自己資金でまかなえているなら、良い不動産をこどもに残してあげられるので、それはそれで良いかもしれません。

 大事なのは、キャッシュフローです。例え木造のアパートでも将来的に安定した収益(手残り)が得られるのであれば、立派な資産です。

 例え、立派なアパート(あえてアパートと書いているので小規模な建物と考えられるが、本当に鉄筋コンクリートである必要があったのかも疑問)でも、借入金比率が高く、将来的に借入金返済後の手残りが厳しくなるようでは、それは良い不動産ではあっても”資産”とは言えなくなります。

 記事の見出し”急増する空き家”が示すように、既に住宅は余っています。そして最後の需要層(団塊ジュニア層)向けを中心にまだまだ分譲住宅(賃貸住宅も)供給されています。あと10数年もすれば、首都圏でも確実に人口は減少し、住宅は余ると言うのに・・・

 土地を持っていて、活用方法に悩んでいる(そのままにしておくと固定資産税がかかるetc)方は、”なんとか有効活用したい”と言う気持ちが強い傾向があり、正しい判断ができていないケースを良く見かけます。




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