高田吉孝のブログ

相続税増税で拍車がかかる不動産を使った相続対策の注意点について(第1回目後編)

これに対し、税制改正後の税率と基礎控除で同様に計算した場合以下のようになります。

3億円(課税価格)−4800万円(基礎控除)2億5200万円(相続税の計算対象額)

これを法定相続分毎に相続税を計算します。

(相続税の総額の計算)

母(1/2)分 = 

   1億2600万円×40%−1700万円(控除額)=3340万円

子(1/4)分 =   

     6300万円×30%− 700万円(控除額)=1190万円

子(1/4)分 =   

     6300万円×30%− 700万円(控除額)=1190万円

                   相続税の総額   5720万円

となり、本来の相続税額は5720万円となります。

その相続税額を実際に財産を取得した比率で案分して各人の相続税額を算出します。

実際にそれぞれが法定相続分通りで取得した場合、

(各人の相続税の計算)

母1/2 × 5720万円 = 2860万円

子1/4 × 5720万円 = 1430万円

子1/4 × 5720万円 = 1430万円 

となりますが、母は財産の半分1/2までは相続税がかかりませんので、相続税額は子2人分の(1430万円×2人=)2860万円となります。

課税財産が3億円の場合の相続税額は、現行法では   2300万円

                  税制改正後では 2860万円 


その差560万円の増税と言う事になります。

○小規模宅地等の特例の見直し

相続税の税率構造の見直しと基礎控除の引き上げにより、都心部(地価の高い場所)に自宅を持つ人が不利にならないように、個人が住居に使っていた土地にかかる相続税の減税対象(80%減)となる面積の上限が従来の240屬ら330屬飽き上げられました。

図4


その他、老人ホームの終身利用権を取得している場合に、もともと住んでいた自宅の敷地については、改正前は適用不可でしたが、改正後は_雜遒必要なため老人ホームに入所したもので、貸付用となっていない場合には、特例の適用が認められる事になりました。

 今回の増税については、税率構造の見直しより、基礎控除の縮小の影響の方が大きいと思います。

上記計算(課税財産3億円の一次相続(配偶者+子二人)の場合)では、実際に税率構造の見直しの影響はなく、基礎控除の縮小の影響で、560万円の増税となります。

財産の評価額が3億円の人にとって、560万円の税負担が“大増税”と言えるかどうかは疑問ですが、世間では、“大増税”をうたい文句に節税の為の賃貸住宅の建築などを勧めるセミナーなどがブームとなっています。

どちらかと言うと、金額的には大きくなくても、これまで相続税がかからなかった人達への負担感の方が大きいのかもしれません。そう言う方達へも、相続税の節税対策を理由に賃貸併用住宅の提案なども盛んに行われているようです。

今後も相続税については、序々に増税方向になるのは間違いないと思いますが、あまりに過度に心配しすぎて、賃貸併用賃貸住宅を全額借入で建築するのは、その後のキャシュフローを考えるとリスクが高い場合が多いです。

第二回目からは、“土地の有効活用”や“収益物件の購入”をはじめとした“不動産を使った相続税対策”の注意点などについて、書いていきたいと思います。

本内容は、日本住宅性能検査協会のコラムに寄稿したものです。





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