高田吉孝のブログ

生命保険の料率改定は保険のセールスには絶好のチャンス?

今年に入り、金融庁が生命保険会社の新規契約者に対する運用利回りに関する規制を改める方針を固め、保険料が今春から値上がりすることが決まっていました。

先週25日に大手生命保険4社が今年4月から改定する保険料率が出そろいました。そこで発表になった大手生命保険4社の対応は、第一生命保険、住友生命保険が主力商品の値下げ、日本生命保険は大半を据え置き、明治安田生命保険は主力商品を値上げ、と言うようにネット系生保や損保系生保の台頭で競争が激化している為、価格戦略で対応が分かれた。と新聞等の報道がありました。


しかし、実際には多くの生命保険会社は、4月より一時払い終身保険や一時払い終身介護保険では、予定利率の引き下げ(1.5%から1.0%へなど)を予定しているようです。私たちが事前に聞いている情報では、明らかに値上げの商品の方が多いので、報道の内容(値上げのイメージを出していない報道)には首をかしげたくなります。


今回(平成25年度)の税制改正では、平成24年度の税制改正で盛り込まれていた「死亡保険金に係る非課税枠の見直し」が削除された為、生命保険各社は、値上げ前に”加入しましょう”とセールスを強化してくる事でしょう。

確かに、非課税枠を使う事は有効(税制改正がなければ)ですが、時として非課税枠以上の保険を提案している事がありますので、注意して下さい。

実際に税制改正などの影響で、駆け込みでやっておいた方が良いと言う事はありますが、保険屋さんとしては、常に沢山の保険に入ってもらいたいと考えていますので、大きな保険に加入する場合は、信頼できる第三者にそのメリットを冷静に分析してもらう事をお勧めします。

今回の件と関係ありませんが、少し前に私のお客様にも生命保険屋さんが、役員保険(法人が役員を被保険者にして契約)を提案してきた時の事ですが、次のような内容でした。

99歳までの長期定期保険(掛け捨て)

保険金額は1,000万円

月額保険料が78,970円

 単純計算すると、年間の保険料が947,640円なので、11年払い続けると受け取る保険金額を超えてしまいます。


保険屋さんは、会社で半分は経費で落とせる(1/2損金)ので、メリットがあるとの提案です。※保険屋さんは、法人税を40%で計算した資料を提示。


しかし、実際には、法人はそんなに利益がでる会社ではありませんし、既にその保険会社で死亡退職金の原資用の保険には加入済みであり、提案書の税効果は見込めません。それでもやはり保険のセールスマンは節税を口実に提案してきます。

 今回のように“保険料が上がる”と言う時は、保険屋さんにとっては提案し易いので、くれぐれも注意しましょう。





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