高田吉孝のブログ
増え続けるサービス付き高齢者向け住宅と平成25年度税制改正
補助金&優遇税制が追い風に 〜順調に推移する整備状況
サービス付き高齢者住宅の供給促進については、政府の新成長戦略にも盛り込まれており、国土交通省は今後10 年間で60 万戸の整備を目指しています。目標達成には、年間あたり平均6万戸の整備が必要ですが、2013 年1月現在93,911 戸と目標を上回るペースで整備が進んでいます。
高い整備目標の背景には、「高齢者単身・高齢者夫婦世帯のみの世帯数」が、2010年からの10年間で245万世帯増加して1,245万世帯に達するとの試算があります。
サービス付き高齢者向け住宅の建築費や事業者に対する補助金は、国交省の「高齢者等居住安定化推進事業」に盛り込まれ、2011年度も2012年度も毎年355 億円が計上されており、供給を促すために国が建築費などを補助する予算措置は、2015 年度まで継続される見通しとなっています。
当然ながら、平成25年度の税制改正大綱においても、サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長が盛り込まれています。※割増償却については、割増率が下がりました。
(平成25年度税制改正大綱より)
・サービス付き高齢者向け賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を2年延長する。
・一定の新築のサービス付き高齢者向け賃貸住宅について、一定の新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置及び一定の新築住宅の用に供する土地に係る不動産取得税の減額措置の床面積要件の下限を緩和する特例措置の適用期限を2年延長する。
・サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却制度の適用期限を3年延長するとともに、平成27 年4月1日から平成28 年3月31 日までの間に取得等をしたものの割増償却率を14%(耐用年数が35 年以上であるものについては、20%)(現行28%(耐用年数が35 年以上であるものについては、40%))に引き下げる(所得税についても同様とする。)。
参考までに、大綱決定前の各省庁からの延長要望書には、このような記述もありました。
<施策の必要性>
我が国では、高齢化が今後一層進み、特に高齢者の単身世帯や要介護者の大幅な増加が確実に見込まれる。一方、高齢者の居住環境の現状は、バリアフリー化された住宅の割合が9.5%にとどまる(賃貸住宅の場合は3.9%(総務省「平成20年住宅・土地統計調査」より集計)など、高齢者の暮らしに適した良好な住宅ストックは絶対的に不足している状況にある。
<合理性>
「日本再生戦略」(平成24年7月31日閣議決定)において、「サービス付き高齢者向け住宅の供給拡大、子育て世帯向けの住替え支援等、ライフステージに応じて適切な住まいが確保できるよう取組を推進する」ことが位置付けられている。
<達成目標>
2020年を目処に、高齢者人口に対する高齢者向けの住まいの割合を欧米並み(3〜5%)とする。
この目標の達成のため、このうち、高齢者人口に対するサービス付き高齢者向け住宅の割合を約1%とすることを目安とする。
2014年度における高齢者人口に対するサービス付き高齢者向け住宅の割合を0.5%とする。(2年間で6万戸新規供給)
<有効性>
適用見込み:平成25年度 3,400戸、平成26年度 3,400戸
本特例を通じて、供給される物件を、医療・介護などのサービスと一体となった高齢者向けの良質な住宅に誘導することができる。このように、国も供給促進に力を入れています。
そしてなんと言っても、そういった供給促進策が協力な武器となる建築営業の力により、間違いなく今後数年間に渡り、ハイペースでサービス付き高齢者向け住宅の建築(提案)が行われていきますので、当分サービス付き高齢者向け住宅が増え続けていきます。
ほんとうに建築営業する側にとっては、こんなにセールスしやすい商品はないでしょう・・・
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