高田吉孝のブログ

様々なサービス付き高齢者向け住宅活用の提案

私の手元には、様々なサービス付き高齢者向け住宅の建築のためにお客さんに出した提案書(建築プランや収支計画など)があります。

サービス付き高齢者向け住宅は、老人ホームと違いサービス面のバラツキが大きいため、その提案プランもいろんなタイプのものがあります。

ほとんど有料老人ホームに近い仕様のものから、少人数でグループホームに近いもの、その中間で老人ホームでは人員配置の効率から実現できない30人規模のものまで様々です。

ハード(建物)はどんなものでも作れます(建築できます)。大事なものはその中身(入居者に対するサービス)です。

立派な建物を造り、診療所(整形外科や内科)と調剤薬局も併設されたプランなども見かけました。ところがその内容をよく聞くと、診療所は建築しながら募集する(診療圏調査データ等の提示もなし)との計画で、運営事業者(デイサービス)との連携も当然明確ではありません。診療所部分の家賃収入は全て見込み(家賃保証なし)で計画され、それでも利回りが8%程度と言ったひどい提案書もありました。

典型的な、外見だけ作った(建築だけできればいい)提案書でした。さすがにこの提案書には、提案を受けたオーナーさんもあきれていましたが、中には同様の提案を疑わずに建築してしまった方もいるでしょう。

先日、有料老人ホームを運営する上場会社の社長さんとお話した際、その社長さんの会社に、入居者が集まらずに行き詰まったサービス付き高齢者向け住宅の運営の依頼も良くあると言っていました。

建築プランが優先したものは非常に危険です。

昨年の7月に行ったセミナー“サービス付き高齢者向け住宅活用はやめた方がいい”の後にもいくつかの相談がありました。

その時も、本当にいろんなタイプのものがありましたが、特に酷かったのが、コンサルを名乗る会社が、まったく運営経験のない開業医と地主さんをくっつけて、サービス付き高齢者向け住宅の提案をしていたものです。

お医者さんには、まったく非現実的な事業計画を提示し事業を勧め、地主さんには病院との連携がとれるので大丈夫との説明でした。

確かに、医療法人が運営するサービス付き高齢者向け住宅は収益構造が安定しやすいので良いかもしれませんが、未経験の開業医さんでは運営のリスクが高いと思います。

それら以外にも、私が地主だったら絶対にやらない”リスクが高すぎて有効活用にならない”提案書が山ほどあります。

ちなみに、サービス付き高齢者向け住宅の税制優遇措置については、平成25年度税制改正においても当然、延長が決定しています。

のちほど、詳しく書きますがその25年度の税制改正要望書に記載されている内容(税制優遇を延長する必要性等々)を見れば、大義名分が有り、必要とされている住宅と言う事になりますので、建築を提案する人達にとっては、国の政策の後押しを受けているのだから、これからもどんどん建築(提案)が進みます。

私は、サービス付き高齢者向け住宅の供給促進そのものを否定いる訳であはありません。
今後、間違いなく進んでいく高齢化社会には、必要なものなのでしょう。

ただ、私は、建築する地主さんにとっては、リスクが高い有効活用(建築)提案が多すぎるので、本当に注意が必要であると言う事を言いたいのです。






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