高田吉孝のブログ

ワンルームマンション投資に思うこと(続編)…

4月末に国土交通省が発表した2006年度(06年4月〜07年3月)の貸家の新設着工戸数は、予想通りの結果で、前年度比3.9%増加の53万7943戸と6年連続の増加となり、1997年度以降過去10年で最高の着工数となっています。
 また、3月の着工数は前年同月比2%増の3万9663戸で、3ヵ月ぶりに増加となり、今年も昨年と同水準またはそれ以上の着工数になるのは間違いないと思います。

 持ち家も含めた2006年度の新設住宅着工戸数も前年度に比べ2.9%増の128万5246戸となり、4年連続で増加しています。都市部のマンションブームを背景に分譲マンションの着工戸数が1990年度に次ぐ過去2番目の高水準を記録。持ち家、貸家も堅調に推移し、全体の着工戸数でも9年ぶりの高水準となっています。
 着工戸数の内訳は、持ち家が0.9%増の35万5700戸で、3年ぶりに増加。貸家は3.9%増の53万7943戸で、6年連続のプラスとなりました。分譲住宅はマンションが4.8%増(24万1826戸)、戸建てが0.4%増(13万8394戸)でした。
 着工戸数が4年連続で増えたのは87年以来で、長期金利がなお低水準にあり、30歳代の団塊ジュニア世代の住宅取得意欲が高まっている事等がその要因ですが、最後の住宅需要層である団塊ジュニア世代が住宅を取得することは、賃貸需要にとってはマイナス要因(分譲住宅を取得する方の約40%は、賃貸住宅からの住み替え)でもあります。

 好調な都市部でのマンションブームの裏で、各マンション業者はワンルームマンションの建築に力を入れ出しているようです。これは実際、数社のマンション業者の土地の仕入れ担当から同様の話を聞きましたので、多分間違いはないと思います。
 都市部では、地価が上昇しており広大な土地(ファミリー向け分譲マンション用地)を仕入れるのが難しくなっており、そこでファミリー向け分譲マンションでは採算ラインに乗らない、多少小規模な土地でも今後は仕入れて、ワンルームマンションを建築して、ファンド(Jリートや私募ファンド等)に売却していくそうです。

 先日も城南エリアで、納税地用の土地売却(200坪容積率200%)の入札を実施しましたが、信じられない高値で某大手マンションデベロッパーが落札しました。ざっと物件の利回りを計算してみましたが、とても個人では投資できるような利回りにはなりませんでした。物件を購入するのは、投資家から資金を集めたファンドです。結局は投資家が泣きを見る?構図なのではないでしょうか。

 いずれにせよ、旺盛な賃貸住宅の着工はまだまだ続きそうです。あと10年近くは、首都圏では人口が流入しますが、需要を超える供給と、中長期的に見た人口減少問題がある状況下では、賃貸住宅への投資(アパート、マンションの建築)はやめた方が良いケースが多いでしょう。新築ワンルームマンション投資は論外です。


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