高田吉孝のブログ

「相続税の申告・納付方法の検討」 〜相続税入門第29回〜 

1.相続税の申告期限及び納付期限

相続税の申告期限及び納付期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月
以内です。たとえば、3月15日に死亡すれば、翌年の1月15日が期限となります。
(期限となる日が土曜日、日曜日、祝日に該当する場合には、その翌日です。)

※相続税の申告が不要である場合があります(死亡された人のうち約95%は不要)
相続人各人の課税価格の合計額が基礎控除額の範囲内である場合には、申告も納
付も不要です。(但し、小規模宅地の評価減などの申告することにより認められ
る特例を使った計算をする場合には、申告のみ必要な場合があります。)

2.相続税の申告書の提出先

被相続人の住所地の所轄税務署となります。(相続人の住所地の税務署ではあり
ませんのでご注意ください。)

3.相続税の納付方法


(1)原則的方法・・・金銭による一時納付

 納付すべき相続税を納期限までに一時に納付する方法です。これが原則的(本来
の)納付方法です。
 しかし、相続税額の金銭による一時納付が不可能な場合だってありますよ。
(たとえば、相続財産の大半が不動産だったような場合などが考えられます)そ
こで、次の2つの納付方法が認められています。

(2)「延納」金銭による分割納付

 前記(1)の金銭による一時納付は無理でも、将来の収入により相続税額を分割す
れば金銭納付することが可能な場合の納付方法です。延納期間は、相続財産に占
める不動産等の割合によって異なりますが、最長延納期限は20年です。

(3)「物納」相続財産による納付

 前記(1)(2)の方法でも相続税を納付することができない場合にのみ、相続によ
り取得した財産(その財産により取得した財産を含む)を金銭の代わりに納付する
方法です。
例外的な納付方法であり、金銭で納付することができない場合にのみ、金銭で納
付を困難とする金額を限度として認められるものです。

※(2)(3)の納付方法は、税務署と事前の折衝を要する場合もあります。また、申
告期限内に別途申請書その他所定の書類の提出が必要になります。納付方法につ
いては、余裕を持ってご検討ください。

(船井財産コンサルタンツ高松 教えて!美佳先生より転載)


つづく→次回は「相続税の税務調査」です。


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