高田吉孝のブログ

がんばれ大家さん!第16回 シニア(高齢者)こそ大切なお客様

 21世紀はシニアが賃貸住宅の大切なお客様になります。何しろ、2010年には50歳以上の人口が約5,400万人、2025年には約5,900万人となり、総人口の約50%をシニアが占めてしまいます。どこへ行ってもシニアばかりになりそうです。しかも、皆さんとても元気いっぱい、現金もある人たちです。

■「高齢者入居支援制度」をご存知ですか?

 ところで今まで大家さんは、シニア入居者に対して、病気になった場合の対応が難しい、保証人がいない、家賃の不払い、さらには、もしも亡くなった場合にはその後の入居者の募集が困難になる等々、マイナスイメージが強く、貸したがりませんでした。
 こんな動向を踏まえて、日本賃貸住宅管理協会ではシニアが安心して賃貸住宅に入居ができるような仕組みを作っています。万一のときには身元引受人を確定させ、家賃滞納に対しては最大6ヵ月保証等々の「高齢者入居支援制度(シニアステージ)」を作りました。

■シニアは優良で安定したお客様

 これからどんどん増えるシニアに対して、いつまでも古いイメージのままでは、大家さんも市場から取り残されてしまいますよ。
 プラス思考で見ると、シニアの入居者は今さら失業の心配がなく、家賃滞納率がきわめて低く、実際には家賃支払い能力は若者より高いのです。しかも、静かで丁寧に部屋を使用してくれます。シニアは、家賃並の支払いで分譲マンションは買いません。転勤、転職は絶対ありません。よって、気に入れば長期に借りてくれる優良な入居者になることが多いのです。
 高度経済成長期には、家賃改定が難しいので長期に入居される借り手を嫌う傾向がありました。しかし、これからは長期安定的な入居者の確保が重要です。


■変わるシニアのニーズに敏感に

 もし亡くなった場合でも、シニアにとっては天寿を全うできたと解釈もしますので、悪い印象はありません。次の入居者もシニアなのですから、心配ご無用です。
 それより、今まで若者だけを対象に考えていたアパートやマンションを、シニア対象に考えると、建物の設備や間取りが変わってくることでしょう。一階の部屋に人気が出てきたり、フローリングではなくて畳の部屋になったり、さらにはペットが飼えたり、駐車場よりベランダをという具合にニーズが変化してきます。駅至近ではなくて、静かな環境を好む人もいます。

 大家さんもシニアですよね。価値観が一緒です。これから急速に進む高齢化社会に対応するアパート経営に真剣に取り組んでみてはどうでしょうか。


「がんばれ大家さん!賃貸住宅経営の50のヒント」
(タクトコンサルティング 本郷 尚先生著)より転載

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