高田吉孝のブログ

「相続税の税額控除の計算について(1)」 〜相続税入門第23回〜 

「相続税の税額控除の計算・贈与税額控除」について

1.贈与税額控除(暦年課税分)

 相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産は、生前贈与加算の対象となり、相続税の課税対象となります。(詳しくは第18回をご参照ください)
 この結果、贈与の際の申告時に支払った贈与税と今回の相続の際の相続税が、課税されることとなります。この相続税と贈与税の二重課税を調整するために、贈与時に支払った贈与税額を相続税額から差し引く計算をします。
 次の算式で計算した金額が算出税額から控除されます。控除額が算出税額を超える場合には相続税額は0になりますが、還付を受けることはできません。

--------------------------------------------------------
贈与税額控除額=その年分の贈与税額×
(生前贈与加算された贈与財産の価額/その年分の贈与税の課税価格)
--------------------------------------------------------

(留意点)
a.生前贈与加算及び贈与税額控除の計算上、贈与税の配偶者控除の対象となったものについては、贈与を受けなかったものとみなして計算します。

b.相続開始年分の被相続人からの贈与については、贈与税の非課税であるため、対象外です。

c.基礎控除額以下の贈与については、生前贈与加算の対象にはなりますが、贈与税額控除の金額は0となります。

d.算式中の贈与税は、相続開始前3年以内の贈与財産に対して課されるべき贈与税(税務署側から既に更正又は決定をすることができなくなったものを除きます)
とします。申告漏れなどにより支払っていない贈与税については、速やかに申告により納税するなど所定の手続をとることとなります。

(船井財産コンサルタンツ高松 教えて!美佳先生より転載)


つづく→次回は「相続税の税額控除の計算について(2)」です。


記事がお役に立ちましたらランキングに
ご協力お願いいたします。
人気blogランキング






相続の基礎知識
 -相続とは
 -相続の手続きと流れ
 -相続財産とは
 -法定相続とは
 -法定相続分の計算方法
 -遺産の取得と放棄

相続税の基礎知識
 -相続税とは
 -みなし相続税とは
 -相続税の計算方法
 -相続税の申告
 -延納と物納

財産評価の基礎知識
 -財産の種類と評価
 -宅地の評価
 -住宅の評価
 -特殊な不動産の評価
 -農地の評価

遺産分割の基礎知識
 -遺産分割
 -遺言による遺産分割
 -協議による遺産分割
 -調停及び審判
 -特別受益と寄与分

遺言の基礎知識
 -遺言の必要性
 -遺言について
 -遺言書の種類と内容
 -その他の遺言知識

相続対策三原則
 -相続税対策
 -納税資金対策
 -争族対策

 -事後対策について

相続対策の手法
 -法人の設立
 -自社株式の対策
 -生命保険の相続対策
 -養子縁組の対策

生前贈与による対策
 -基礎控除の利用
 -配偶者控除の利用
 -住宅取得資金の贈与
 -生命保険料を贈与する
 -相続時精算課税の対策

不動産の相続対策
 -土地の有効活用
 -アパートマンション経営
 -その他の有効活用
 -事業用資産の買換特例
 -低収益物件の再生
 -貸宅地の整理
掲載されている情報は、執筆時の法令と一般的な事例に基づいており、法改正等に対応できていない場合や、具体的な事案にはあてはまらない場合があります。当サイトの情報を下に行った行為については、当サイトの管理者(高田吉孝)及び(株)青山財産ネットワークスは一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
Copyright2004 y.takada. 参考文献一覧
記事・写真などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。