高田吉孝のブログ

「債務控除について」 〜相続税入門第17回〜 

4.債務控除

 相続税は、相続又は遺贈により受けた利益に対して課税されますが、被相続人の債務を承継している場合、又は葬儀費用を負担している場合には相続等により取得した財産の価額から控除して計算することとなります。

<債務控除をすることができる者>

相続人と包括受遺者(=包括遺贈とは、遺産の全部又は一定の抽象的な割合で示された遺贈をいいます。民法では、包括受遺は相続人と同一の権利義務を有するものと定めています)が実際に債務を負担している場合に限られます。ただし、葬式費用については、相続の放棄をした者や相続権を失った者が負担した場合であっても債務控除することができます。

<債務控除できる債務の範囲>

1.居住無制限納税義務者及び非居住無制限納税義務者に該当する者である場合

(1)被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を
含む)
(2)被相続人に係る葬式費用

2.制限納税義務者に該当する者である場合

相続税の課税対象とされる財産に関する債務で、次に掲げるものに限られます。
これは、相続税の課税対象となる財産の範囲が限定されていることに対応しています。また、葬式費用は、債務控除することができません。

(1)その財産についての公租公課(固定資産税、鉱区税など)
(2)その財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権で担保される債務
(3)その財産の取得、維持又は管理のために生じた債務
(4)その財産に関する贈与の義務
(5)被相続人が、日本国内に営業所又は事業所を有していた場合、その営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の債務

※控除対象とならない債務・・・以下の相続税の非課税財産の取得等に係る債務

(1)墓所・霊廟・祭具等(生前に購入した仏壇等の未払金などが該当します)
(2)個人の公益事業用財産

※葬式費用とならないもの・・・

(1)香典返戻費用
(2)墓碑・墓地の購入費、墓地の借入料
(3)法会に要する費用(初七日法要費用などが該当します)
(4)医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

つづく→次回は「被相続人からの3年以内の贈与財産について」です。
(船井財産コンサルタンツ高松 教えて!美佳先生より)


記事がお役に立ちましたらランキングに
ご協力お願いいたします。
人気blogランキング







相続の基礎知識
 -相続とは
 -相続の手続きと流れ
 -相続財産とは
 -法定相続とは
 -法定相続分の計算方法
 -遺産の取得と放棄

相続税の基礎知識
 -相続税とは
 -みなし相続税とは
 -相続税の計算方法
 -相続税の申告
 -延納と物納

財産評価の基礎知識
 -財産の種類と評価
 -宅地の評価
 -住宅の評価
 -特殊な不動産の評価
 -農地の評価

遺産分割の基礎知識
 -遺産分割
 -遺言による遺産分割
 -協議による遺産分割
 -調停及び審判
 -特別受益と寄与分

遺言の基礎知識
 -遺言の必要性
 -遺言について
 -遺言書の種類と内容
 -その他の遺言知識

相続対策三原則
 -相続税対策
 -納税資金対策
 -争族対策

 -事後対策について

相続対策の手法
 -法人の設立
 -自社株式の対策
 -生命保険の相続対策
 -養子縁組の対策

生前贈与による対策
 -基礎控除の利用
 -配偶者控除の利用
 -住宅取得資金の贈与
 -生命保険料を贈与する
 -相続時精算課税の対策

不動産の相続対策
 -土地の有効活用
 -アパートマンション経営
 -その他の有効活用
 -事業用資産の買換特例
 -低収益物件の再生
 -貸宅地の整理
掲載されている情報は、執筆時の法令と一般的な事例に基づいており、法改正等に対応できていない場合や、具体的な事案にはあてはまらない場合があります。当サイトの情報を下に行った行為については、当サイトの管理者(高田吉孝)及び(株)青山財産ネットワークスは一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
Copyright2004 y.takada. 参考文献一覧
記事・写真などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。