高田吉孝のブログ

ゴルフ会員権譲渡損の損益通算は廃止見込み!政府税調検討、報告書に盛り込まれる・・・

政府税制調査会は先週、ゴルフ会員権や高額な貴金属、骨董(こっとう)品などの売買で生じる利益(譲渡所得)を総合課税から分離課税に移行させる検討に入ったとも発表しました。21日に発表される個人所得課税についての報告書に盛り込まれるようです。実現すればゴルフ会員権の売却損を他の所得などと相殺(損益通算)して所得税額を圧縮する仕組みは廃止となります。

分離課税にした場合、国の所得税と地方の個人住民税を合わせて20%の税率を適用する案が浮上している。現在は他の所得と合算し、最高50%の累進税率で課税されているため、高所得者が売却益を出した場合は、現行より納税額が減りますが、損失が出ても他の所得と相殺することができなくなり、多額の含み損を抱えた会員権の所有者は、売却をすれば税負担が重くなります。

不動産の譲渡損については、既に2004年から損益通算が不可となり、「株式」の譲渡損と同様に、給与所得や事業所得など他の所得との損益通算ができなくなり、青色であっても翌年以降への繰越控除もできなくなりました(なおマイホームの譲渡損については一定条件のもとで損益通算と繰越控除が可能です)。

現行の所得税ではゴルフ会員権についての譲渡損は他の所得との損益通算が可能です。そして青色申告ならばその後の3年間にわたり繰越控除できますので、ゴルフ会員権の譲渡損は、青色申告なら売却年からの合計4年間の他の所得と通算できます。青色申告でなくとも売却年の他の所得と通算できます。

政府税調は「故意に損失を出して納税額を抑え、節税に利用している事例がある」とみており、これまでもゴルフ会員権の売却損と他の所得との相殺を問題視してきました。

ゴルフ会員権の譲渡損失については、所得税法69条2項の生活に通常必要でない資産の所得の計算上生じた損失の額は、他の所得との損益通算が所得税法できない旨の定めがあり、「生活に通常必要でない資産」を定めている施行令178条にゴルフ会員権を盛り込むことにより、損益通算が廃止されると考えられます。廃止になれば含み損を税務で使うチャンスは永遠に失われますので、含み損を抱えたゴルフ会員権をお持ちの方は一考の必要があります。

「生活に通常必要でない資産」とは


所得税法は、生活に通常必要でない資産に係る損失については生じなかったものとみなす、と定め、ここから生じた「儲け」には課税するものの「損」はなかったものとして損益通算を禁じています。以下が「生活に通常必要でない資産」の定義です。

1.競走馬その他射こう的行為の手段となる動産。
2.通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない
家屋で主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するも
の。その他主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不
動産。
3.一個又は一組の価額が300,000円超の貴金属書画等

※ゴルフ会員権は株式でも不動産でもありませんから、現状は損益通算ができます。更にゴルフ会員権は「生活に通常必要でない資産」の定義に入っていませんので譲渡による損失について他の所得との通算や繰越控除が可能です。しかし、生活に通常必要でない資産の定義の4番目に「ゴルフ会員権」と書き入れるだけでこの損益通算を廃止することができます。

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