高田吉孝のブログ
好調! J−REITとリスクプレミアムについて思うこと…
上場不動産投資信託(J−REIT)の値動きを示すQUICK・REIT指数(配当込み)が、5月6日に182.74と続伸し最高値を更新しました。同指数は2001年9月10日を100として算出しており、現在東証および大証に上場している16の不動産投信が対象となっています。
バブル崩壊後、不動産投資はリスクが高いというイメージがありましたが、不動産投信の堅調な配当利回りの実現と市場拡大により不動産投資に対するイメージは大きく改善し、機関投資家や個人の資金が継続的に上場不動産投資信託(J−REIT)に流入しています。また、低金利などの運用環境の悪化を受けて、一部の年金基金なども不動産投信を組み入れ始めているとのことです。
好調が伝えられるJ−REITですが、個人的には今の価格水準では、投資対象としてはあまり魅力が感じられません。オフィスビル市況も大都市圏で回復傾向が鮮明になってきましたので、きちんとファンドを選べばまだまだ安定した配当が得られるとは思いますが、やはり利回りが3%に近づいてくると、そろそろ価格も天井なのではないかと思います。
ちょうどREIT指数が最高値をつけた6日の債権市場では、新発十年物国際の利回りが一時、1.21%まで低下し2004年2月26日以来の低水準となりました。
不動産投資において、収益物件の不動産価格は「収益÷還元利回り」が基本になります。この還元利回りは、「国債利回り+(不動産投資に対する)リスクプレミアム」により決定されると言われています。
現在J−REITの平均予想利回りは3.6%前後?だと思いますので、リスクプレミアムは2.5%以下ということになります。J−REITがスタートした頃は、みんながJ−REITの将来性に懐疑的だったので、リスクプレミアムが4%程度あったので、予想配当利回りが5%以上あるものもあったと思います。
J−REIT第1号でもあり代表格でもある日本ビルファンド投資法人は、2001年9月:公募価格62万5千円でスタートしましたが、2002年2月頃までは低迷期で50万円台中〜後半で推移していました。ちなみに2005年5月6日の終値は95万6千円で予想配当利回りは、3.15%です。(55万円で買っていれば5.5%になるハズ…)投資の世界で「たら・れば」は禁句ですが、正直言って55万円で買っていればと思いたくなります。
米国REITのリスクプレミアムは、1%前後と言われていますが、まだまだ日本でそこまではいかないのではないでしょうか。ファンド間の物件取得競争が過熱し、優良物件の品薄感から、完全にミニバブルの様相を呈している中にあって、満期が集中し、売り殺到リスクが懸念される「不動産ファンド2007年問題」も気になるところです。
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