高田吉孝のブログ
がんばれ大家さん!第6回 音を上げないために値を下げる
大家さん、こんにちは。今回は家賃値下げの話です。
「値下げをしなくては・・・・・・と思っているけど、借金があって返済しなくてはいけないので、踏み切れないよ」。大家さんの事情と気持ちはよく分かります。
でも、値を下げなければこのまま空室が続くでしょうから、いずれ大家さん自身が音を上げてしまうでしょう。「景気がよくなれば」と期待していても無理です。ズバリ言えば、もし3ヶ月空いたら、値下げに踏み切ってください。
■値下げより空室の損失が大
「月額5,000円も下げるのですか!!」
「そうでなければ、決まりません」
「そんな値引きには応じられません。もう少し待ちます」
家賃月額10万円の部屋のやりとりです。結局10万円の家賃を95,000円にしなかったので、さらに2ヶ月間空いたままになってしまいました。2ヶ月空室ですと、10万円×2ヶ月=20万円の損失です。この20万円の損失は永久的に取り戻すことはできません。5,000円の値引きでは、1年で5,000円×12ヶ月=60,000円です。2年で12万円、3年で18万円です。
もうお分かりですね、5,000円値引きしなかったことによって、2か月分の95,000円×2=19万円が機会損失になってしまいました。
「でも、5,000円値引くと他の入居者が文句を言うのでは?」
心配ご無用、文句は言ってきたときに考えましょう。更新時に言うかもしれません。言わない場合もあります。
「全体的に家賃が下がったら、どうしようか・・・・・・」
心配は尽きません。家賃の時価がそうであれば、それも仕方ないのです。今は家賃を下げても、空室を埋めて満室にすることが大事なのです。一度入居したら、普通2年以上引っ越すことはありませんから。
■世の中、早割、特割は当たり前
いまや航空会社の早割、特割は当たり前。ホテルもいろいろな宿泊料金設定をしています。競争社会なのです。
ズバリ、空室にならないために、ゼロではどうにもなりません。アパート経営も空間、時間を売っています。
ビル経営では、一定期間家賃ゼロのフリーレント制度がよくある話です。地方のアパートでも1〜2ヶ月家賃ゼロでお客さんの確保をしています。
■即断、即決が出来る体制を
ところで、いざお客さんが来て「部屋は気にいっただけど、もう少し家賃を下げてくれませんかね」と言われました。今時のお客さんは軽く言うかもしれません。不動産会社の営業マンが「大家さんと相談しますので、2〜3日待ってください」と言ったとします。果たしてこのお客さん、待ってくれるでしょうか?
たぶん、待ってくれないと思います。何しろお客さんは忙しいのです。それにたくさんの部屋を見て選んでいます。即、返事をしないとお客さんは逃げてしまいます。自分が買い物をする時の心理を考えれば、きっと分かると思います。
大家さん、営業マンとよく打ち合わせをしておいて、家賃の値下げについての許容範囲を決めておきましょう。いざというときには、携帯電話を持って、いつでも返事のできる体制を整えておいてください。ここで決めなければチャンスを失ってしまいます。家賃を確保することは、他のことより大事なことなのですから。
「がんばれ大家さん!賃貸住宅経営の50のヒント」
(タクトコンサルティング 本郷 尚先生著)より転載
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