高田吉孝のブログ

「相続税の納税義務者について(2)」 〜相続税入門第10回〜 

「相続税の納税義務者について(2)」について
(船井財産コンサルタンツ高松 教えて!美佳先生より)

前回では、個人(自然人)の相続税の納税義務者についてご説明しました。

今回は、個人(自然人)ではないのに個人とみなされ相続税の納税義務者になる場合について、補足しておきたいと思います。

えっ、でも相続税って自然人の間のみで課税されるんじゃないの?と思われるかもしれませんね。当然、法人は死亡するわけがないので被相続人になることはありませんし、法人が被相続人の財産を遺贈により取得した場合でも、法人の大半(株式会社、有限会社など)は、法人税という税金を課税されることで相続税の対象とはなりませんし、国や地方公共団体などは、課税の対象にはなりません。

では、例外的に相続税の課税の対象となるのはどのような場合なのでしょうか。それについて大別すると下記のようになります。

1.代表者または管理者の定のある人格のない社団または財団

いわゆる、同好会、県人会、PTAなどがこれに該当します。
 既に設立されている人格のない社団等に財産を遺贈した場合、その設立のために財産を提供した場合には、財産を取得した人格のない社団等は個人とみなされて相続税の納税義務が発生します。(人格のない社団等が収益事業を行っており法人税の課税対象となっているような場合には相続税の課税対象とはなりません)

2.公益法人等

 宗教法人・学校法人・社会福祉法人等積極的に祭祀・宗教・慈善・学術・技芸その他公益に関する事業を目的とし営利を目的としない法人をいいます。

 既に設立されている公益法人に遺贈した場合又はその設立のために財産を提供した場合、遺贈者等の親族の相続税負担が、不当に減少する結果となると認められるときには、結果的に直接遺贈者である被相続人から親族等に財産が移転したのと同じ効果が得られるため、財産を取得した公益法人等は個人とみなされて相続税の納税義務が発生します。(公益法人等が収益事業を行っており法人税の課税対象となっているような場合には相続税の課税対象とはなりません)

つづく→次回は「相続税の課税財産について(1)」です。


船井財産コンサルタンツ高松 税理士 国方美佳


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