高田吉孝のブログ

「ゴルフ会員権訴訟」の波紋、更正の請求・還付嘆願 増加へ

2月13日のブログで、ゴルフ会員権の名義書換料で納税者が逆転勝訴した最高裁の判決を紹介しましたが、今日はその続編です。というのは、昨日会社の勉強会で「平成17年度税制改正のポイントと実務上の留意点」について、日本税務会計学会顧問の右山昌一郎先生よりご講義いただいたのですが、その右山先生が、今回の「ゴルフ会員権訴訟」の当事者(右山先生がご子息の税理士登録のお祝いとしてゴルフ会員権を贈与)であったことを講義の冒頭で聞き、直接お話を聞けたからです。正しい条文解釈と自らの信念により、昭和48年から続いていた国税当局の明らかな間違いを7年という歳月をかけ改めさせた右山先生を改めて尊敬しました。

今回の判決は、単にゴルフ会員権における名義書換料の取得費にとどまるものではありませんので、譲渡不動産の登記にともなう登録免許税の支出など、これまで控除を認められなかった部分についても影響がでますので課税実務の見直しが必要になってきます。

また、国税庁は記者会見で、今回の裁判と同様に贈与されたゴルフ会員権の名義書換料を取得費に含まなかったケースなどについては、「更正の請求をして頂くことで対応していく」と発表しており、国税庁からのお知らせ資料(下記内容)内で、5年を経過している年分の所得税については、還付できないとしていますので、更正の請求期限(法定申告期限から1年間)を過ぎた後でも5年以内であれば、嘆願書により還付が可能となります。

(還付嘆願は、税務署にお願いして税金を戻してもらうための手続ですが、これまでは税務署長の職権によるものであったため、その判定基準があいまいだったが、行政事件訴訟法(平成17年4月1日から施行)の義務付け訴訟でできるようになるので、これまでとは違って5年以内なら確実にできるようになるともおっしゃっていました。)

いずれにしても、今後、更正の請求や還付嘆願が増加するのは間違いないと思われます。


贈与・相続により取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の取得費について =国税庁公表(おしらせ)資料より=

記事がお役に立ちましたらランキングに
ご協力お願いいたします。
人気blogランキング

贈与や相続の際には、通常、贈与者等の名義を取得者に変更するため、不動産の場合は登記費用を、ゴルフ会員権の場合は名義書換手数料を支払うことになりますが、取得者が支払ったこれらの費用については、上記のことから、譲渡所得の取得費には算入できないこととして取り扱っていました。

この度、これに関する最高裁判所の判決があったことから、贈与・相続の際に支払われる不動産登記費用・名義書換手数料などについても、取得者が不動産・ゴルフ会員権を譲渡した場合の取得費に含めて計算するよう取扱いを改めることとしましたので、お知らせします。


問1 これまでの取扱いを改めることとしたのは、何故ですか。

贈与により取得したゴルフ会員権を譲渡した場合の譲渡所得について、贈与の際に支払った名義書換手数料が取得費に当たるかどうかが争われていた裁判で、この度、最高裁判所において取得費に当たるとの判決があったことから、これを受けて、ゴルフ会員権の名義書換手数料のほか、贈与や相続・遺贈の際の不動産登記費用などについても、取得費とするよう取扱いを改めることとしたものです。


問2 ゴルフ会員権の名義書換手数料や贈与・相続の際の不動産登記費用のほかに、譲渡所得の取得費にできる費用はないのですか。

今回の判決を受けて、取扱いを改める代表的な費用は、ゴルフ会員権の名義書換手数料や不動産登記費用ですが、このほかにも贈与・相続等の際に通常支払われる名義変更のための費用は、取得費の対象となります。例としては、不動産取得税、株式の名義書換手数料や特許権などの権利についての登録費用があります。

なお、これらの費用を支払っている場合でも、取得費に算入できるのは譲渡資産に対応するものに限られますので、特に、不動産登記費用については、他の資産とともに名義変更する場合が多いことから、ご注意ください。

また、収入金額の5%を概算取得費として譲渡所得を計算している場合には、登記費用をその概算取得費に加えることはできませんので、ご注意ください。これらの点につきまして、ご不明な点があれば、税務署の資産課税(担当)部門にお尋ねください。


問3 私は、3年前に土地を譲渡して譲渡所得を申告しています。この土地は贈与で取得したもので名義を変更する際に登記費用を支払っており、これを取得費に加えて譲渡所得の計算をやり直せば、所得税が還付されると思いますが、可能ですか。

登記費用の金額を明らかにしていただいたうえで、税務署に更正の請求などの手続きをしていただければ、所得税は還付されます。
ただし、申告期限から既に5年を経過している年分の所得税については、法令上、還付できないこととされていますので、詳しくは税務署の資産課税(担当)部門にお尋ねください。





相続の基礎知識
 -相続とは
 -相続の手続きと流れ
 -相続財産とは
 -法定相続とは
 -法定相続分の計算方法
 -遺産の取得と放棄

相続税の基礎知識
 -相続税とは
 -みなし相続税とは
 -相続税の計算方法
 -相続税の申告
 -延納と物納

財産評価の基礎知識
 -財産の種類と評価
 -宅地の評価
 -住宅の評価
 -特殊な不動産の評価
 -農地の評価

遺産分割の基礎知識
 -遺産分割
 -遺言による遺産分割
 -協議による遺産分割
 -調停及び審判
 -特別受益と寄与分

遺言の基礎知識
 -遺言の必要性
 -遺言について
 -遺言書の種類と内容
 -その他の遺言知識

相続対策三原則
 -相続税対策
 -納税資金対策
 -争族対策

 -事後対策について

相続対策の手法
 -法人の設立
 -自社株式の対策
 -生命保険の相続対策
 -養子縁組の対策

生前贈与による対策
 -基礎控除の利用
 -配偶者控除の利用
 -住宅取得資金の贈与
 -生命保険料を贈与する
 -相続時精算課税の対策

不動産の相続対策
 -土地の有効活用
 -アパートマンション経営
 -その他の有効活用
 -事業用資産の買換特例
 -低収益物件の再生
 -貸宅地の整理
掲載されている情報は、執筆時の法令と一般的な事例に基づいており、法改正等に対応できていない場合や、具体的な事案にはあてはまらない場合があります。当サイトの情報を下に行った行為については、当サイトの管理者(高田吉孝)及び(株)青山財産ネットワークスは一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
Copyright2004 y.takada. 参考文献一覧
記事・写真などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。