高田吉孝のブログ

納税者が逆転勝訴、ゴルフ会員権の名義書換料は「取得費」に

ゴルフ会員権訴訟:名義書換数料の控除OK 国税側の逆転敗訴確定−−最高裁

贈与により取得したゴルフ会員権を売却する際に贈与を受けた際に支払った名義書換手数料が、「取得費」として認められる(所得から控除できる)かどうかが争われていた訴訟(平成17年02月01日 第三小法廷判決 平成13年(行ヒ)第276号 所得税更正処分取消請求事件)で、最高裁(濱田邦夫裁判長)は、「取得費として認められない」とした東京高裁の判決を破棄し、名義書換手数料は「受贈者が贈与者から資産を取得するための付随費用に含まれ、手数料はこの費用に当たる」と認定し、納税者の主張を認める判決を言い渡しました。

判決資料などによると、昭和63年に原告の父が購入したゴルフ会員権を原告(息子)が平成5年に譲り受け、原告(息子)はその際、ゴルフ会員権の購入先に名義書換料として82万4千円を支払った。その後、原告(息子)は平成9年に、その会員権を100万円で売却し、翌年の確定申告で名義書換料を「取得費」に計上し申告していたが、同年10月課税当局は「手数料を取得費に含めることはできない」として更正処分を行った。
 この処分を不服として、納税者が訴訟を提起しましたが、1,2審ともに、納税者の主張を退けていました。

所得税法60条では、贈与などで得た資産の譲渡所得の計算について、その者が引き続き所有していたものと見なすと定めている。このため、1,2審ともに「譲渡所得の算出では、贈与はなかったものと考えるため、所有権移転で支払う費用も無視するしかない」という判断から、名義書換手数料を取得費に入れることはできないとしていました。

判決では、譲渡所得金額の算定において、資産取得後の支出である中間の付随費用が「資産の取得に要した金額」にあたるべきと解すべき,としています。この取り扱いは、所得税法60条1項に基づいてされる譲渡所得の金額において適用されると考えられ、贈与に限らず同法60条1項に規定されている相続、遺贈にも、また資産についてもゴルフ会員権に限定されないで適用できるので、実務(確定申告)にも大きな影響を与えると思われます。


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